五感でみつける 目で感じる

晩夏光、夕涼み。

夕方6時過ぎの雲の流れが明らかに半月まえのそれと違っている。 そんな確信を持つ8月の最後の日曜日、まだ夕焼け前は地上も熱を帯びている というのにBBQで締めくくり。 周囲には家族連れだったり、何かしらの集いだったり、大所帯の光景と炭と火 が合わさる独特なにおいと煙が視界に広がって、晩夏のそこはかとない淋しさ を完全に打ち消してくれる。

湖畔からの風の湿り気も乾いた空気に変わり肌に心地よく感じられる頃、 上弦からゆっくり満月へと向かう月が夜空にふんわり。 炭火も静かに役割を終えたよう。 月夜の残り火を横目に夕涼み。

焚火と、今回のように用意された炭火とはまったく様相は異なるけれど、もと もと「火を熾(おこ)す」という行為にはプリミティブで神聖なーそれゆえに 生と死を直線的に容赦なく結びつけてしまう一面もある。 (このことについて、『火を熾す』ジャック・ロンドン著 柴田元幸 翻訳と いう短編小説が心身に突き刺さるほど精緻に火と人間の対峙を描写されている のでご興味のある方はご一読を。) 火とともにわたしたちも生かされてきたという一面もある。 そして、こうした“燃えがら”が再利用されて、またわたしたちの生活の一部へ 還元され、循環する。

都市部から離れた場所に住まいを移して一番増えた時間はというと、そうした 本質的な自然の営みに想いを馳せる、といった、文字に起こすとあまりに当た り前のようなーそれでいて体感しないと簡単に字面にはできない“恵”に改めて フォーカスする時間。

空、火、風、大地、星、月。 次の季節はどんな景色を運んでくれるだろう。 体中で感じないと、ただただ通り過ぎるだけの気象の一瞬一瞬を肌に受け止め ていたい。

来るスーパームーン。 みなさんはどんな感慨でご覧になるのかとても興味津々です。

2023年8月31日 

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Miki

English Lab/ doers(ドアーズ) 主宰。完璧さよりも小さな一歩を応援するパーソナルイングリッシュコーチ。文章やコーチングレッスンをとおして、心を整えきらめく日々を提供できたらと探求する日々

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