8月3日:
太陽とお月さまはしし座で出会い、新月となります。
この日、火星がいて座に舞い戻ります。今年の前半、火星はさそり座といて座の間を行き来しながら、たっぷりと時間をかけてふたつのサインに滞在してきました。
さそり座は火星のホーム、本領が発揮される場所です。6月から7月にかけて、こころの奥を探りながら、根底にあるエネルギーの着火点を探るような作業をしていた人も多いかもしれません。また、2012年10月から2015年9月までのおおきな時間をまとめ、次のステージへと運ぶような、こころの奥の探求と発見の仕上げを、この期間に行った人も少なくないはずです。
7月の後半には逆行を控えたおひつじ座の天王星がさそり座の火星と150°の角度を取り、ぎこちなさが発火するような空気もありました。変化の機運や、強いエネルギーを抱える時ほど、いつにも増して「おおきな愛」を意識することが問われるように思います。
うお座の海王星といて座の土星は、90°の角度を取り続けています。ひろく深い愛と、生きることの哲学を「重ねてゆく」時代です。「愛」が、漠然とした効力のないもので「ない」ように。その願いが宇宙にはあって。そのことが、この先も、複雑な変化の時代のおおきなゆりかごになってくれるように思います。
火星は8月から9月にかけて、いて座に滞在します。3月から5月のことに、この期間あらためて火を着けるのかもしれません。準備は調っているはずです。
8月13日:
3月下旬からいて座で逆行を続けていた土星が、順行に転じます。火星の動きとも符合し、ここでさらに前進の流れが強まってゆきます。
土星はあくまでも慎重な星、収斂し、鍛錬する星です。生きることの哲学を自分の中であらためながら、この先の歩みをしっかりと見定めてゆくのでしょう。この時期の「前進」の流れには、火星の勢いと土星の見極める慎重さが混じり合っています。炎の色は多彩で、深みがあります。
いて座が象徴するところの「国際性」「グローバル」といったテーマも、引き続き見定められてゆくのでしょう。あなた自身も、世界の全体も。その哲学を「本物」にすることを求められているようです。
8月18日:
しし座の太陽がみずがめ座の月を照らし、満月となります。おひつじ座の天王星が、向き合う太陽とお月さまに調和の力を注ぎます。
2011年のころから、個人に、社会の全体に、変化を流れをうながし続けているおひつじ座の天王星。このタイミングに満ちることに、ここまでの変化の結実としての「何か」を見つけるのかもしれません。
8月23日:
太陽がおとめ座へ移動し、水星、金星、木星に加わります。この辺りから、6月、夏至の頃の空気が、少しカタチを変えて満ちはじめるのを感じてゆきます。この空気は9月をかけて、夏至からの流れを集約しながら、次の季節へと運んでゆくように見えます。
ふたご座、おとめ座、いて座、うお座からなる柔軟宮でおおきな十字がつくられた夏至のころ。柔軟宮は、季節の終わり、変化を宿して次の季節へと流れ出してゆく流動性を持っています。
次へ向けて、おわってゆくこと。一度解かれてゆくこと。変化のあるところに、つねに「次」が見えているとは限らない、このことが時に、わたしたちを不安にさせます。わたしを、宇宙を、おおきく信頼する季節です。
8月24日:
火星と土星がいて座でめぐり合います。先に記した「生きることの哲学」、そのことが、ここにひとつの具体的な姿を見せるのかもしれません。それは変わりゆくものです。その変わりゆく、ゆくことのできる柔軟性すら含めた、そうした哲学が、両手のひらに降ろされるのかもしれません。
8月30日:
この日からおとめ座の水星が逆行を開始します。逆行は9月22日まで。9月は柔軟宮に天体が集まって、次の季節への流動性を高めてゆきますが、その中で水星は逆行を続け、木星はおとめ座からてんびん座へと移動します。
ゆるまったリボンの中で、進むことと、戻る(ように感じられる)ことは、ちいさな粒子となって入り交じります。「これまで」という結びがいったん解かれて、次の季節のあたらしい結びが少しずつ見えてくるように思います。
* * *
最後にご挨拶を。
マヒナファーマシーでの連載、今回が最後となります。
今までお読みいただいて、本当にありがとうございました。
星のめぐりをしずかに綴るひと時が、
わたし自身のこころのチューニングにもなってくれました。
お届けの場となってくださったマヒナファーマシーさんに、こころからの感謝を。
そして、お読みいただいたみなさんに、あらためて、こころからの感謝を。
この先の日々が、星たちにまもられ、祝福に満ちますことをお祈りします。
また、いつかどこかで、お会いしましょう!
7月4日:
太陽とお月さまはかに座でめぐりあい、新月となります。
この6月には、柔軟宮(ふたご座、おとめ座、いて座、うお座)で、天体たちがおおきな十字を描きました。そして、この十字の影響を受けた新月・満月がめぐり、満月の直後に夏至を迎え、今年の星まわりのクライマックスのひとつとも言える、印象的な時間帯となりました。環境の変化を迎えた方、体調を崩された方、こころがおおきく揺れ動いた方など、それぞれの層での「動き」があったのではないかと思います。
次が見えている「動き」の場合もあるでしょうし、「流動している」という状態や、先がはっきりは見えない「変化の予感」だけがある場合もあるかもしれません。いずれの場合であっても、この季節に必要なことが、それぞれの人において起こっているのだろうと思います。どんな流れであっても。それが、あなたにとって、宇宙にとって、ベストな流れです。不安にあったとしても、信じるこころを携えます。
そうした季節を経て。
あたらしい季節の新月を迎えます。
流動する季節はまだ続いてはいますが、おおきな山場は超えています。新月の太陽とお月さま、そして、水星と金星はかに座にあって、6月からの移り変わりと、あたらしい時間帯のはじまりを示します。漠然とした不安感や焦燥感は、この先、日増しに減ってゆくはずです。
4つの天体の対岸、やぎ座には、流動する季節の緊張感を陰ながら調和させていた冥王星があります。変わってゆくこと、あたらしいステージへ流れてゆくことの「おおきなおおきな意味」が、ここから先、静かに、けれどしっかりと、示されてゆきます。
2011年ぐらいからのこと。そこからのおおきなおおきな、うねりのような流れ。その流れに、呑み込まれているようでいて、しっかりと乗っていたあなたがいるのだろうと思うのです。
それまで大切だとされてきたことと、この先大切にされてゆくことが、違ってゆくのだということ。意識の根底での変遷があって、価値観の変化があって、こころの変容があって、日々の選択は変わってゆきます。そのための最後の調整が、ここまでの季節、行われていたということが、次第に、感覚的に、わかってゆきます。
きっと、2011年から2013年、あの頃のあなたが思っていたよりも、テーマはもっともっと深遠で、変化は思った以上に厳然としたものだったのでしょう。深い深いところから、変わるべくして、変わってきたのだということ。確信し、安心します。意識の変遷にこころが決まってゆく中で、次の景色も少しずつ姿を見せはじめるはずです。
かに座に集う4つの天体は、さそり座の火星、うお座の海王星と共鳴します。かに座、さそり座、うお座の3つは水のサインと呼ばれ、想いの領域を象徴します。こころがかき立てられるような、ざわめく季節が収束してゆく中で、あらためて大切な人々を見つめ、その想いのつながりに触れているあなたがいるように見えます。
かに座は、家族、家庭、居場所、拠点を象徴します。あなたがこころを置くところ、預けるところ。そのメンバーが存命であっても、すでに星に還っていても。どちらであったとしても、そこにはこころの居場所があるはずです。そうした場所があって、そこが、あなたの存在の源泉とつながっています。
ここにこうして存在している、ということ。その入口であって、土台としてある、その場所。そうした場所の温度。それは表面的なものではなく、あなた自身の生命とつながっている、生命の温度です。
想いの向こうに生命が感じられる時。
その想いは、おおきな意味と力を宿します。
7月20日:
やぎ座で満月を迎えます。
向き合って満ちるお月さまと太陽を、さそり座の火星が調和します。火星は6月末から順行を続けており、この次の新月の日、8月3日には、いよいよさそり座を離れていて座へと舞い戻ります。
6月のおおきなおおきな星まわりの最中、こころの奥の奥に触れる作業を続けていた人も少なくないはずです。ゆるせなかったことの裏には、悲しみがあって、悲しみの向こうで「生きること」の熱量は再会を待っています。
想いを生命力へと昇華させる。その過程は時として苦しくて。けれど、その暗く細い道を、怖れながらも進み、光を頼りに、光の方へと抜け出てゆく時。わたしたちの生命力は、よりしなやかで、うつくしく、確信したそれとなって、あたらしい季節へと突き抜けてゆきます。
新月の頃とも通じる、そんな宇宙の想いを感じる満月なのでしょう。次の季節は見えていて。暗がりの世界とお別れすることを予感する時、その道のりのすべてに、そこにあった出来事のすべてに、そこに登場してくれたあらあゆる人々に、深く深く「ありがとう」を捧げるあなたがいるはずです。
7月22日:
太陽がしし座に移動します。水星、金星も、12日、14日にそれぞれすでにしし座に入っており、この辺りから、熱量が本格的に増してゆきます。かに座の世界で包まれた優しさ。つながった想い。その向こうに見ていた生命の力が、「おもて」に現れてゆきます。
この頃には、梅雨も明け、真夏の日々がひろがっているのでしょう。思いっきり、歌って、踊って、遊んで、はしゃいで。意味なんてなくていいのです。その瞬間の「生きている」を、余計な計算なしに表すこと。その瞬間の「生きている」に、目一杯没頭すること。生命の熱量はあなたをぐるぐるとめぐって、意味やこの先の予感を後から連れてきてくれます。
次回は8月3日、しし座の新月にお会いしましょう。
6月5日:
太陽とお月さまはふたご座で出会い、新月となります。ふたりは金星とも一緒にあります。そして、おとめ座の木星、いて座の土星、うお座の海王星とともに、宙におおきな十字を描きます。
やわらかに、やわらかに。あたらしい楽章へと流れ込んでゆくわたしたち。いくつかの摩擦や葛藤もありながら。けれど、時間はそうやって少しずつやわらかくなりながら、あたらしい場所へと流れてゆきます。
おおき過ぎてよく見えなかったこと。望むところであるのはわかるけれど手が届かないように感じられた何か。そして、地道な作業や省みることの多かった何か。「少し先の遠い景色」と「手もと、足もと」。そのふたつは見えていて。けれど、その間の点と点、それを結ぶ線がよく見えていなかったのかもしれません。この季節、その「線」が色彩を得て浮かび上がってゆくのを見て、きっとあなたは安心するのでしょう。そう、ちゃんと歩んでいたのです。見えていなくても、いつでもちゃんと導かれています。
点と点。結ばれた線。地図のようなそれを手にする時、いろいろなことの「意味」も結ばれてゆきます。あの時のあれ。その時のそれ。意味がなさそうに見えたこと。無駄に思えたこと。そうした点たちもまた結ばれてゆきます。新月の透明ななこころに、その地図を描いてみます。この地図は、この先のわたしへの贈り物です。
6月14日:
うお座の海王星が逆行に入ります。昨年の11月からここまで。ここから今年の11月まで。おおきな流れの時間帯が移ってゆきます。深いところに置き忘れた想い。遠い遠い記憶。そうしたものに触れやすくなるのかもしれません。表面的な感情の表出の裏には、そうした記憶が隠れています。その源泉に触れてみる時。謎は解けて、想いの連なりが解かれます。
6月18日:
いて座の土星とうお座の海王星の90°がピークを迎えます。新月に届いた地図。その読み方がこの頃にはよりくっきりと見えてきているのでしょう。変わってゆくこと、終わってゆくこともあるのかもしれません。終わってゆくことは、はじまってゆくこと。「次の季節へとわたしを運んでゆく」。その流れを信じてみます。
6月20日:
ふたご座の太陽がいて座の月を照らし、満月となります。前回の満月に続き、二度目となるいて座の満月。今回はいて座の出口の扉の手前で月が満ちます。5月22日の満月からの「ひと月」という時間が、ひとつの果実をもたらします。わたしたちの「生きること」を照らし、あたためてくれる、焚き火のような智慧。言葉には収まりきらないそれの「呪文の言葉」が見つかって、言葉によって智慧とつながります。言葉を超えたそれがあって。そして、言葉があります。言葉が機能をもたらします。智慧の姿がはっきりと見える時。その使い方、持ち出し方が見えてくるはずです。
6月21日:
太陽がかに座へ入り、夏至となります。金星も18日にかに座に入っており、この辺りから水の資質が意識されるようになってゆきます。水の世界は想いの世界。大切な人。想いを寄せる相手。そうしたところに光が当たる季節へと入ってゆきます。
6月26日:
おとめ座の木星とやぎ座の冥王星の120°がピークを迎えます。昨年の9月から今年の9月まで。1年間という時間の中で経験してきたこと、していることが、さらにおおきな時間の中でどんな意味を持っていたのか。そんなことが見えてくるかもしれません。内側を見つめ、細やかなからだの声、こころの声に耳を澄ますこと。そうしたことが、宇宙とわたしとをやさしくつなぐこと。そんな時間を、時に迷いながらも、くぐり、めぐり、そうやってうつくしく調えてきた「わたし」という宝物を見つけるのでしょう。9月から「うつくしく調ったわたし」は、他者なる人々とゆたかに出会い、ゆたかに関わってゆきます。今はその少し手前の時間帯にあります。
6月30日:
さそり座の火星が順行となります。5月の終わりごろから、深い想いの世界に潜ってきたこと。過去へと舞い戻るように感じられた道のりもまた、次の扉を開く手順であったこと。そうしたことが見えてきます。2012年の半ばから2014年の終わり、そして2015年の6月から9月頃。あの頃感じていた深い想いをめぐる「何か」。そうしたことが「最後の姿」となって、この時間帯に佇んでいるように見えます。溶けてゆく少し手前。怒りも、悲しみも、やさしくやさしく包み込む、深い愛の姿が、そこにあるのでしょう。この日、水星がかに座に入ります。深まって透明になってゆく想いとともに、大切な人々と想いを交わし合う、やわらかな時間帯がひろがってゆきます。言葉にならなくてもよいのです。言葉にしなくてもよいのです。大切なことはちゃんと、言葉を超えて伝わってゆきます。
次回は7月4日、かに座の新月にお会いしましょう。
5月7日:
太陽とお月さまはおうし座でめぐりあい、新月となります。おうし座には、太陽、月、金星、水星と4つの天体が滞在し、おとめ座の木星、やぎ座の冥王星とおおきなトライアングルを描く、印象的な新月です。このうち、水星、木星、冥王星の3星は逆行中。この時間帯の天空の色彩をさらにユニークに仕上げています。
おうし座、おとめ座、やぎ座は地のサイン。「手で触れることのできる世界」と「触れている手であるわたしたち」。その呼応、やり取りは、触れることにはじまって、細やかさに研ぎすまされ、確信とともに確立されてゆきます。「ここにある世界」、「この世」を、からだを通じて確かめていたい。それが地のサインたちの願いであるのでしょう。
地のサインのはじまりであるおうし座には、「所有」といった意味合いも与えられます。何かを持つということ。何かを所有するということ。4月22日、おうし座の太陽とさそり座のお月さまが描いた満月に揺さぶられた想いは、今回の新月の静謐にひとつの答えを見つけるはずです。
「所有する」ということを、システム的な、手続き的な側面だけで見ていた、そんなわたしたちがあったのかもしれません。物を買って手に入れるということ。土地を買って棲むということ。資格や技能を獲得するということ。何らかのプロジェクトや大小様々な組織を持つということ。そこに「最初の取り決めによって手に入ったそれは、そのまま手元にあり続け、それは『私』の所有物である」そんな考えが、どっしりと横たわっていたのかもしれません。
それが何であったとしても。ものであっても、購入した土地であっても。人間関係であっても、人の集まりであっても。技能であっても、能力であっても、自分が体得したものであったとしても。自分自身の肉体であっても。個人が一生を掛けて、はたまた家系が代々所有することをゆるされたものだとしても。結局は「持たされている」ということであり、究極的には「一時的に借りている」のだろうと思うのです。
「借りている」のだとわかっている時。それを「私」だけのために使おうと執着すること自体が不自然であることも、くっきりとしてきます。そして、それが生み出した何かを、貸してくれたその「おおもと」へ還そうというこころも、自然と働くのだろうと思うのです。
逆行する冥王星は、そんな意識の再調整を促しているように感じます。「お借りしているのだ」という言葉を、「所有する」の合間に挟んでおく。持っているようでいて、持たされていて、いつかは還すのだ、ということ。その謙虚さにあってはじめて、ちゃんと「持つ」ことが、安心して「持つ」ことが、握りしめずに持つことが、できるはずです。
水星の逆行もまた、こうしたテーマを汲んでいます。水星は5月21日まで逆行を続け、4月中頃の位置まで戻ります。ひと月という時間の中に浮かぶ、握り方・掴み方を見直したい、変えたい、そんな何かがあるのであれば、それがゆるされる時間帯です。
5月9日:
おとめ座の木星が順行に転じ、ホームグランドにあって伸びやかにきらめく金星と調和の角度を取ってゆきます。上述の地のサインが示唆するテーマの、うつくしさ、ゆたかさの側面。新月の静けさに透明な気づきを受け入れたからこそ出会えるきらめきが、ここに現れるのかもしれません。
ここまで、全10天体の半分、5つの天体が逆行を続けてきたのですが、その内のひとつが順行に転じます。内省の時間は少し減り、行動のテンポ感が少しずつ返されますが、この流れをよりはっきりと感じるのは22日以降になりそうです。
5月10日:
おうし座で太陽と水星が出会います。新月の気づきは、明確な意志、行動の基盤となってゆくはずです。
5月22日:
ふたご座の太陽がいて座の月を照らし、満月を迎えます。同じこの日、水星は逆行を終え、順行に転じます。太陽は5月20日にふたご座に入っています。この頃から天球のリズムは変わりはじめ、軽やかさやテンポ感が戻ってくるのが感じられるはずです。
いて座の月は逆行中の火星とめぐり合っています。今はあえて活発に動かない、その理由を確かめるのでしょう。知恵のないままにおおきな火を扱えば、火傷をし、火事を起こしてしまいます。高い熱量とそれがもたらす行動力、それらを包めるだけの力のある、布のような知恵を探っているのです。
5月27日:
火星がさそり座へ舞い戻ります。知恵の探求は、外をめぐって内へと帰り、あなたのこころの奥深くに辿り着きます。火星は6月30日まで逆行を続け、8月3日までさそり座に滞在します。
こころに何かを封じ込めている時。思わぬタイミングでそれらがうごめき、あなたの目を曇らせて、行動を曲げてしまうのです。火を扱う知恵を得るためには、透明なこころが必要です。こころの内側に鍵をかけたままの小部屋がないか、探してみるのです。1月~2月頃の出来事にヒントがあるかもしれません。
次回は6月5日、ふたご座の新月にお会いしましょう。
4月7日、太陽とお月さまはおひつじ座で出会い、新月となります。そこは天王星のすぐ近く。いて座の土星とも調和の角度をとっています。
昨年の9月ごろにはじまったこと、その頃から続いてきたことは、3月下旬からあたらしい道を歩みはじめています。温めてきたのなら、実行してみる。すでに動いてきたのなら、やり方を変えてみる。見直しからスタートして動けずにいたのなら、動き出してみる。ひとつの地点に到着し、乗り物を乗り換えて、そこをあらたな出発点とする。物語の詳細は違ったとしても、そんな転換点を迎えています。
新月の夜、そうした時間軸の流れを、よりおおきな変化の物語の中に見ることをゆるされます。2011年の頃からおおきくおおきく方向を転換してきたわたしたち。変わらなければいけないという焦燥感と、変わりたくないという想いと。その狭間に佇みながら、でもしっかりと導かれてきたわたしたちがいます。
はじめ、そこに不安や怖れを見ていたのかもしれません。どうなるのかわからないという不安。自分が消えてしまうような怖れ。それでも突き動かされるように、旧いわたしをひとつひとつ手放してきたのだろうと思うのです。
手放すということは、不要なものを積極的に「消去」することであるようでいて、本当は、必死に握っていた手のひらをただただひらいてゆくことだったことがわかってきます。時としてそこに何かを掴んでみてもよいのです。でも。ぎゅっと力を入れて握り続けていると、からだの全体が強ばってきます。握っているそのものにだけ視線を注ぐようになります。そして。握られたそれも、生きているのです。握りしめられればられるのど、息ができなくなってしまいます。
手放しておくことというのは、消し去ることではなく。「わたしという世界」の自然に立ち起こる生命を、そのままにゆるすということ。そしてその「そのまま」に、ゆるされているということです。
焦燥感と不安感からはじまった変化の旅は、いつの頃からか、そんなおおきな安らぎを見つけているのでしょう。そんな、おおきなおおきな流れ中で。今ある地点・時点をあらためて見つめ、知る新月となるはずです。
4月17日、火星がいて座で逆行を開始します。火星はこの先逆行を続け、5月27日にさそり座に舞い戻ります。
2016年の前半、火星はさそり座といて座の間を行き来します。さそり座は井戸のように深く降りてゆく、想いの世界です。そこには透明な暗闇があって、深く、狭く、集中した世界があります。その世界が極まって反転する時、深みが高みであったことが顕われるのです。
土星がさそり座に滞在したのは、2012年10月から2014年12月、そして、2015年6月から9月までのこと。この期間、自分の内側にある想いの層をたっぷりと見つめ、その層に触れてきたわたしたち。さまざまな想いとの出会いがあり、再会がありました。見つめれば見つめるほど、空間はひろがり、ひろがった空間に想いたちは解けて、ゆるやかに舞ってゆきます。どんな想いもあってよいのだ。こころの底からそう想うこと。そのことに救われるのは、他でもないわたしたち自身です。そして、まるでおおきな両手のひらに掬われるように。包まれていたことを思い出します。
やかんでお湯を沸かして、お水を透明にするように。今年の前半は、上述の期間のそんな事後調整を行うことができます。影になっているところが、少し気になるのかもしれません。すでに会ったことのある影です。もう一度会って、真向かいに座ってみます。話しをまっすぐに聴いてみます。あなたの全体が安心したいように。想いのひとつひとつも安心したいのです。悲しみであっても、怒りであっても、焦りであっても。その発露は、うつくしい色彩です。色彩を一瞬に放って、そしてまた溶けていってよいのです。「あらわれてよいのだよ。あってよいのだよ。」その言葉に安心する想いがあるはずです。見つめ、溶かします。お水を透明にするように。
4月22日、さそり座の満月です。この頃、太陽はおうし座に入っていて、さそり座の月をまんまるに照らします。秋の終わりを思い出すのでしょう。その頃の想いが発芽します。「手に入れたい」という欲求について考えてみます。「手に入れるって、わたしの名前を貼付けて、他人には触れさせないこと?」そこから一歩、二歩、下がってみます。本当は何がしたかったのか、味わいたかったことはどこにあったのか、思い出してみます。そこに立ち返る時。「手に入れる」ということの意味が、変わってゆくはずです。還ってゆくはずです。
4月29日、水星がおうし座で逆行を開始します。今回の逆行は5月22日まで。次回、おうし座の新月は5月7日ですが、おうし座には新月の太陽とお月さま、金星、そして逆行中の水星、おとめ座には逆行を終えつつある木星、やぎ座には4月18日から逆行中の冥王星があって、地のサインでゆるやかなグランドトラインがつくられます。
逆行の水星が思うことは、22日の満月とも通じながら、次回の新月へとつながってゆきます。「手に入れる」ということ。その意味を、深め、ひろげる時がやってきます。その背後にある願いの本当を思い出す時、両手を握りしめる必要がないことが、これまでより二重に三重に空間をひろげながら、わかってくるはずです。
そのことはまた、次回の新月の頃に。
祝福に満ちた春のひと月を!
まずは太陽のサインでお読みくださいね。次に、気になる方はご自身の月のサインで覗いてみてください。あなたは月に養われながら、太陽を表現しています。
おひつじ座 変わってよかったんだ!ということが、リボンを解かれたようにひろがってゆく。あたらしいようで、還ってゆくこと。それが徴(しるし)です。 |
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おうし座 こころがざわざわするのなら。大切な感覚をひとつ。香りでも。手触りでも。そのゆたかさを感じているあなたが宇宙であること。思い出してみるよ。 |
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ふたご座 「思い通り」じゃなくてもよいのではないかな?あなたが考えている枠を超えた流れがあるように見える。自分に。他者に。それをゆるすよ。 |
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かに座 お水を注いだら、時に空っぽなる。そうしたらまた、泉に行って水を汲んだらよい。あなたの力が足りないのでも、やさしさが足りないのでもない。泉はいつでもあなたを待っているよ。 |
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しし座 ひとりぼっちだなって、たまにしみじみ思ってしまう。でも、ちゃんと守られているし、愛されている。自分っていう輪郭をはっきりさせてみたいんだよね。みんなその願いを知っているから、少しだけ離れて、見守ってくれているんだよ。 |
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おとめ座 ここまで得たことが何だったのか、少しずつ見えてくる季節。振り返っているけれど、ちゃんと進んでいるよ。それがあることが、見えてくる。 |
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てんびん座 言葉数が少ないのは、きっと敢えてのこと。言葉を選んでいる。つつかれても、急かされても、やっぱり大切なことだけをきちんと伝えたい。そう願っているんだね。 |
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さそり座 もうすぐおおきな「絵」が見える。ああ、これだったんだって、わかる時がやって来る。この季節、その知らせを携えた伝書鳩が視界に入って来るよ。 |
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いて座 手を抜いているわけでもないし、迷っているのでもない。猛スピードで前進するのがすべてではない。それだけのこと。くねくねした小道を自転車で進む時もあって、そこにはそこにしかない意味がちゃんとあるよ。 |
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やぎ座 おおきな機械をスローダウンするように。少しずつゆるやかな時間へ入ってゆく。これまでの軌跡が見えていて。だからこそ。これでよかったんだって、思っているんだね。うん、うん。お疲れさまでした。 |
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みずがめ座 あたらしい言葉で表現してゆく。すると、あたらしいチームができてゆく。言葉は見えない糸で、その糸に結ばれてゆく人たちがいる。ゆるやかに、しておくよ。離れてゆく人。入って来る人。ふたつでひとつ。 |
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うお座 あなたのところからも、もうすぐ見えてくる。ちょっとだけ時間が巻き戻っても、後退ではないよ。あなたのやさしさはちゃんと伝わっていた。それが見えて来る。木霊みたいにね。少しだけ遅れて返ってくるの。 |
3月9日、太陽とお月さまはうお座で出会い、新月となります。この日の新月は日蝕。日蝕にあって新月の力は研ぎすまされ、集中します。闇に還って、生まれ直す。新月の再生の作用がいつも以上に感じられる時となるのかもしれません。3月23日の月蝕まで続く魔法の時間の幕開けです。
太陽とお月さまのあるうお座の対岸、おとめ座には木星があります。2015年8月からおとめ座に滞在している木星。「他者」へと自分をひらいてゆくその一歩手前で、わたしたちは内側の宇宙の音色にしっかりと耳を澄ませます。その細やかさに分け入ってゆく時。そこに壮大な空間があったことが、たっぷりと感じられるのです。
大切なのは自分自身の中心。「わたし」が「わたしのまん中」にカチッと収まる感覚です。
わたしのまん中からわたしがはじまっている。
そのことがしっかりと感じられる時、わたしたちはその繊細な感覚にありながら、しっかりと安定することをゆるされます。そして、その繊細な安定にある時、わたしたちがこの世界をたのしむために与えられた「こころ」と「からだ」をしっかりと感じることができます。内側から調えてゆく。楽器をチューニングするように、わたしをわたしだけの音色にチューニングします。そして、その先に。「他者」が待つ「世界」へと「わたし」は流れ出してゆくのです。
対岸にあるうお座のテーマも、おとめ座と似たような色彩を放ちます。どちらのサインもわたしたちに「自他」の境界線について考えさせるのです。
「他者」へとひらかれる手前のわたし。
「他者」とひとつになってゆくわたし。
「わたし」が「わたし」であるということ。そのあまりに単純明快な事実は、それゆえに、わたしたちを目隠しし、悩ませます。
視点をどこに持つのか?
物語はあなただけのもので、あなたが主人公なのです。わたしたちは関わり合いながら暮らしていて、でも、わたしの生をあなたが生きることもなければ、あなたの生をわたしが生きることもありません。ひとつでありながら、どこまでも分かれていて、どこまでも分かれていながら、けれど、そのすべてがひとつの生命です。このパラドックスを何度でもジャンプしてみる。そうする内に、狭間にある真実が姿を現すはずです。
そうするとき「献身」や「犠牲」の本当の意味合いが見えてくるのでしょう。「やさしさ」や「思いやり」を「成し遂げよう」として自分自身を損なうのでなく。中心にわたしがあることを忘れない時、「愛」や「慈しみ」はいつであっても、あなたのまん中から、あなたの隅々を通って、あなたの片隅にあるあらゆる暗がりをすべて灯して、そして、あなたの外とされる「世界」へ、「他者」へとひろがってゆくのです。
いて座の土星も、このやり取りに触れています。やわらかであることの強さを、いつも以上に意識することになるのかもしれません。高いところから見る時、より多くを内包することができます。そうするためには、多くを知ることです。多くの背景を、理由を知ること。そして、多種多様な可能性があり得ることを納得することです。そのひろがりが、まず、わたしたち自身を自由にします。そして、わたしたちの世界を自由にします。視野が狭まると、自由に圧倒されてしまうのです。限定しない。制限しない。わたしも。相手も。世界も。そのやわらかさを信じます。
3月12日、金星がうお座に移動します。ここから4月6日までの間に、「こころ」と「こころ」のやわらかさがつながりあって煌めくような瞬間があるのかもしれません。問いつめないこと。曖昧さを持たせておきます。魔法はその余白に降り立つはずです。
3月20日、太陽がおひつじ座に移動し、春分の日を迎えます。占星術の1年はここからはじまります。想いが深まって、極まって、溢れ出す時、それは生命の力へと転じます。生きることはその過程の果てに、ひと雫の水となり、やがて虹の橋をわたって、陽光に生まれ変わります。想いに向き合うことを怖れないこと。内側へと注がれる視線は、やがて外へ放射する生命の光となるのです。水のサインから火のサインへ。天体たちのその軌跡に、生命の力が力強く再生するのをしっかりと感じるはずです。
3月23日、てんびん座で満月を迎えます。この満月は月蝕です。内側に感じるあらたな生命の力。それを使って何をカタチにしてゆこう?この頃にはきっと、そんなことをたくさん感じているのでしょう。慎重に、細部にこだわるあなたがいて。それは、微細な感覚の声に耳を澄ませることが、宇宙の流れに通じることを知っているからです。そして、楽観的であることの真の意味を探っているあなたもいるはずです。細やかさと鷹揚さ。一見相反する要素同士のやり取りの狭間には、ちいさなスポットがあって、そこが鍵穴になっています。そこにぴたりと鍵をはめる時。あたらしい扉がひらきます。
3月25日、土星が逆行を開始します。自由について。まだ少し腑に落ちていないあなたがいるのであれば、この先、いくつかの経験を重ねることになります。本物に出会うために。鍵穴と鍵が見つかれば、扉は自然にひらきます。逆行は8月中旬まで続きます。
次回は4月7日の新月にお会いしましょう。祝福に満ちたひと月を!
まずは太陽のサインでお読みくださいね。次に、気になる方はご自身の月のサインで覗いてみてください。あなたは月に養われながら、太陽を表現しています。
おひつじ座 ゆるすのは「あの人」ではなくて。その人をゆるせない「あなた自身」であるのかもしれない。どんな自分も受け入れていいのだよ。すべてが渾然一体となって、あなたという存在を醸しているのだから。混沌としていてよいの。そのままでよいの。 |
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おうし座 「理想」を見直してみる。いつかの理想は、もう今のあなたにはあっていないのかもしれない。すべては移ろって、変わってゆくのだから。変わるはずないと思っていたものも、変わらないなら不自然になることもある。 |
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ふたご座 いつも以上にあなたの「世界」の「登場人物」をよく見てみる。どんなあなたが反射している?どんなあなたを反射させたい?鏡の国のワンダーランド。 |
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かに座 かに座さんの行動範囲って、あなたの思いやりがひろがる範囲なんだと思う。今までよりちょっとその範囲をひろげてみるのかもしれない。あたらしい人が入ってきて。あなたの世界をあたらしくするよ。 |
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しし座 元気なふり、しなくて大丈夫だよ。ちょっと座って、ほっとひと息。ゆっくり、ゆっくり。気になることがきっとあるから、ちゃんと見つめておこう。見つめてあげたら、見つめられたら、ふわっと解けるよ。見て見ぬ振り、ここではしないでみよう。 |
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おとめ座 変わってゆくこと。今までいた人。これからいる人。あなたが変わるから、あなたの世界も変わる。人と人。つながって紡いでゆくこと。結局、関係性なんだ。気づかせてくれるのは。わたしとあなた。あなたとわたし。 |
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てんびん座 準備しているところなのかもしれない。発表会の前。あなた自身を調えている。いつもより静かでも大丈夫。閉じた扉の向こうでひとり静かに準備して、扉をひらいてゆく。そして。満月の日に満ちること。半年前の約束。 |
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さそり座 はやる気持ちから解放されて、ほっとひと息。でもちゃんと火は灯っていて。「やりたい!」って純粋に思えること、はじめてゆくのだと思う。色んな考えを挟まなくてよいよ。情熱と行動。シンプルに結んでみるよ。 |
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いて座 「静」と「動」を上手く使いこなすいて座さんなのかもしれない。ぐいっと攻めるところ。じっと取り組むところ。両方あるように見える。時間を掛けた方がいいことと、勢いに任せた方がいいこと。野生の勘で、使い分けるよ。踊るように。踊るように。 |
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やぎ座 いつもより多弁でも大丈夫。ふと口にしてみたことが、何かをあたらしくしてゆく。そんなこともあるんだね。軽さって重さより怖かったりする。でも、世界って実は、かくも軽いのだ。ふわっと任せてみる。ゆだねてみる。 |
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みずがめ座 物を捨てたり、買い替えたり。物理的なことも、精神的なことと同じだけ、だよ。あなたを囲んでいるもの。見えている世界が変わってゆくことは、あなたが変わってゆくこと。どちらが先でも後でもないよ。 |
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うお座 こころに決めることがあるのかもしれない。それは、あなたのあなたに対する約束。内側に大切に持っている。あなたという湖のまん中に水色の絵の具を落としたら。その色が波紋のようにひろがってゆく。自分への約束はそんな風にひろがってゆく。だから自分に嘘はつかないよ。 |
2月9日に日付が変わる直前、新月を迎えます。みずがめ座の新月です。
この日は旧暦のお正月でもあります。グレゴリオ暦の新年を迎え、旧暦の新年を迎え。そして、占星術の新年は春分の日、太陽がおひつじ座のエリアに入るその時にはじまります。少しずつグラデーションのようにめくられてゆく「あたらしい季節」。スイッチを押してオンオフするように切り替わらなくても、それは当然のこと。めぐる季節に安心して心身を委ね、少しずつ春を迎えてゆきます。
みずがめ座で出会う太陽とお月さまは、さそり座の火星と90°の角度をつくっています。今年の9月頃まで、火星はさそり座といて座のエリアにゆっくりと滞在します。
さそり座に土星が滞在していたのは、2012年の終わりから2015年の9月までのこと。さそりの世界は、深い深い情緒の世界です。やわらかな情緒の世界は、さそりの針のように鋭く極まって、奥へ奥へと突き抜けてゆく。そこには、さまざまな想いの記憶が絡まりながらたゆたっています。その透明な鋭さでひとつひとつを解きながら。理知的な洞察力と神秘的な直観力の間に明確な分け目などなく、記憶もまた、今の生から過去の生へと遡り、そうした中におおきなおおきな想いの源を見つけてゆく。
土星はわたしたちに「課す」天体でもあります。上記の期間、自分の内側にあるそうした想いの世界に、真摯に向き合った人も多かったことでしょう。そこには、視点を収縮してゆく苦しみがあり、そして、解けることによって溶け、解放とともに視点がひろがるよろこびがあったはずです。 その運動を繰り返しながら。想いの世界は少しずつ、でも確実に澄み、そして、その透明さに「あなた」という視点、その空間がどこまでもひろがっていったはずです。受容ゆえにひろがり。受容ゆえに愛します。そして、愛ゆえによろこびを感じます。祝福はそれそのもので、いつでもすべてとしてここにあって。わたしたちはそれを再発見する宝探しの旅にあります。
今年、火星はさそり座からいて座へ、いて座からさそり座へ、そしてまた、さそり座からいて座へと移動しながら、この領域にじっくりと滞在することで、想いの世界に真摯に向き合ってきたわたしたちの、その真摯な願いを、わたしたちを根底から生かす生命力に変える術を授けてくれるように見えます。
繊細過ぎて力になどなり得ないと思っていたこと。そうしたことが、実はとてもとてもおおきな原動力であったことが見えてくるはずです。さそり座は火星のホームグランドでもあります。生命を根底から生かすもの。極まる感情の果てに、わたしたちは「生きる」ことの神秘を垣間みるのです。そしてその時、世界は反転して、わたしたちは壮大な自由へと解放されます。
さそりのエリアの最後の度数は「涙の度数」と呼ばれています。さそり座からいて座へ。ここには、深みが高みへ、狭さが広さへと反転する、魔法が秘められています。怖れずに見つめること。自分自身に嘘をつかないこと。さそりの世界の鋭い透明さに叶った時、わたしたちはわたしたち自身をゆるすのです。そして。そのゆるしの先に、世界がひらけてゆきます。「わたし」対「あなた」は極まり、超えられ、「あなた」と「わたし」を包んだ「世界」としての視点がひらけてゆきます。
今回の新月の太陽とお月さまは、火星に触れながら、こうしたテーマの「きっかけ」をあなたに授けるのかもしれません。もしかしたら耳の痛いメッセージもあるかもしれませんが、どこかでわかっている自分がいるのであれば、それは変化の機会、はじまりであるはずです。
2月23日、うお座の太陽がおとめ座のお月さまを照らし、満月となります。おとめ座には木星が、うお座には海王星が滞在中です。からだという神殿、その空間を大切に満たします。その音色にたっぷりと耳を澄まします。そんな時間を意識的に持ってみる。そして、内なる調和が、外なる平和へと表現されるのを感じてみる。「わたしの調和は、世界の平和」。こんな言葉を実感する時となるのかもしれません。
2月29日、うお座で太陽が海王星に出会います。この時、月はさそり座にあります。物事をコントロールしようとする顕在的な意志の力が弱まる分、それを超えたところにある流れが見えてくる時かもしれません。おおきな世界にあるあなたの願い。ふとした閃きやイマジネーション、そんな音色に耳を澄ませます。こころが透明であればあるほど、音はまっすぐにあなたのもとに降りてきます。
3月6日、火星がさそり座からいて座へ移動します。火星はこの先、4月17日から逆行して5月27日からさそり座に再び滞在、その後順行に転じ、8月3日に再びいて座入りします。上述の「涙の度数」を「行って」「戻って」「また行って」と三度なぞります。
火星は、さそりの本当の力を熟知しています。「生きる」という運動の末に、わたしたちはさまざまな感情を抱えます。そして。感じてはいけない感情など、ひとつもありません。悲しみも、怒りも、嫉妬も、欲望も。わたしたちに与えられたものです。
けれど、本来は生じて流れてゆくべきものでありながら、時としてそこに留まってしまう感情があります。その存在感が大きいのであれば、わたしたちはやはり、その謎を解いてみるのでしょう。感情は、そのままそのものでありながら、同時に謎解きの「鍵」の役割も果たします。鍵を手にして扉を開けば開くほど、光が入ってきます。光が入れば入るほど、見えてきます。理由も意味も、あってもなくてもよくて。でも、「見える」こと、「わかる」ことに、わたしたちは安心するのです。「わかる」から「受け入れる」のではなく。「受け入れる」から「わかる」ような「意味」がその記念に贈られるのかもしれません。
すべては祝福に包まれた物語たちです。想いを生命の力へと転じてゆく。そんな魔法が授けられる季節がはじまってゆきます。
祝福に満ちたひと月を!
まずは太陽のサインでお読みくださいね。次に、気になる方はご自身の月のサインで覗いてみてください。あなたは月に養われながら、太陽を表現しています。
おひつじ座 メンテナンスを終えた飛行機が飛び立つように、仲間たちとの作業が動き出す。そのやり取りの中、あらためて自分を見つめる機会が浮上するのかもしれない。誰かの想いが気になるのなら。それはそのまま、あなたへのメッセージだよ。 |
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おうし座 役割を果たす。嫌なことを我慢して、ということではなく。あなたにしかできないことを、あなただけの力で、ちゃんと全うしてみる。それは、自分への約束を果たすということで、あなたがあなたを信頼するということ。その信頼関係の土台が、大切な仲間たちを連れてくるよ。 |
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ふたご座 あらためて自分のことを見つめているのかもしれない。からだの声は偽らないから、そこに耳を澄ますのが近道かもしれないよ。じっくり聴いてみる。頑なに閉じていた扉を開くようなヒントを得るのかもしれない。そこに葛藤があったとしても、その先にあなたの役目が見えてくるよ。 |
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かに座 表現してみる。表に出してみる。ちょっと怖かったとしても、ワガママに思えたとしても、まっすぐに表現してみる。あなたがあなたの宇宙のまん中にいる。我慢せずにあなたをひらいてゆくことは、みんなの幸せになってゆくはずだよ。 |
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しし座 家系を通じて代々引き継がれてきた癖。それが心地よいものなら手元に残していいし、心地よくないのなら、あなたらしいそれに変えてしまってよいのだよ。今、あなたの目の前にいて、あなたが向き合っている人。その人があなたにとって心地よい人なのなら。そこにあなたのダイヤルをあわせてゆくよ。 |
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おとめ座 引き続き少しスローダウン中なのかもしれない。でも、ちょっと安心しているあなたもいるのだと思う。この時期のスローダウンはちょっと不思議で。目の前の物語がめまぐるしく展開しない分、あなたの深い深いところにある願いが見え隠れしやすいと思う。見つけてみてね。 |
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てんびん座 目的と手段、順番が逆でもいいんじゃないかな?手元にある手段、ツール。それを見てみるよ。無意識であったとしても、何らかの意図があってあなたはそれを手にしているはず。何かを手にしていることに、あらためて気づいてみる。手元のものって見えにくいから、あらためて、ね。そこから気づいてゆけるのかもしれない。 |
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さそり座 2016年の夏まで、さそり座さんは特別な時間の中にある。今まで気づいていなかった自分の力が見えてくると思うよ。「一気に」ではなく、少しずつ。進んで、少し戻って、また進むように。焦らなくて大丈夫。じわじわと前進した方が、着実なのだ。 |
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いて座 いて座さんも、夏ごろまでは不思議な時間の中にある。いて座さんの行動力や楽観主義の背後には、深い深い世界があって。いちいちそれを口にはしないよね。でも、だからあなたには説得力がある。背後の世界と、そこから滲み出る表の世界。その両方を少しずつ少しずつ灯している、温めている、熱くしている。こんな物語が見たい、それがくっきりしてきているからこそ。そこを熱する力だよ。 |
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やぎ座 蒔いた種が芽を出してゆく。地中にあって見えない時も、そこにある種子に絶対の信頼を寄せるよ。目に見えることがすべてではなく。芽を出して、カタチをなして。そこから物語がはじまってゆくよ。人々とつながってゆくよ。 |
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みずがめ座 現実を信頼する。問題意識を解放して、インスピレーションに変えてゆく。そこに問題を見つけることはいつでもできて。すべては不完全だから。でも、その不完全たちが集まったそのすべてが、完璧なのだと思う。不完全さも含めて、信頼してみるよ。そこからあたらしい章がはじまってゆくよ。 |
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うお座 はっきりしなくても、明確に言葉にすることができなくても。そこにちゃんと力があるんだ、ということが実感としてわかってくるのだと思う。そうであっても、ちゃんとリアル。その曖昧模糊としたものから、よりくっきりとしたものが生まれるのだから。曖昧さを愛してみることが、あなたをほっとさせるはずだよ。 |
1月10日、太陽とお月さまはやぎ座で巡り逢い、新月となります。太陽と月の抱擁に、わたしたちの心象風景は凪ぐのです。波立たない水面が、その内側をまっすぐに映し出すように。わたしたちの内なる景色を透明に見つめることのできるのが、新月の時です。
まず、時間を少しさかのぼりながら、この季節のお話を。
昨年の終わり、11月半ば頃から火星がてんびん座に、そして12月上旬からは金星がさそり座に滞在。2星ともがそのよさをまっすぐに表現できないままに、けれど互いの力を増幅させる配置にありました。エネルギーの行き場が見失われ、その結果として、停滞したり、衝突したりするような出来事もあったのかもしれません。この配置は年末年始を経て解かれ、次のステージへと流れ出しています。
金星と火星はそれぞれ、女性性と男性性を象徴する天体。内なるお姫さまと王子さまが末永く幸せに暮らしている。おとぎ話のハッピーエンドが内なる世界にひろがることは安らぎであり、それは、外なる世界へと滲み出して、安らぎを顕します。女性性と男性性。この地球では、陰と陽とも呼ばれるこの根源的なふたつの要素が交わることで、生命が生まれ、育まれています。異質でありながら、溶け合うことを希求している。ゆえに、不信もあり、衝突もあるのでしょう。さまざまな事象を経験しながら、女性性と男性性を溶け合わせてゆきます。そして、どちらもが過剰でなく、互いが互いをゆるしている時、その安らかな世界がひろがってゆきます。
金星と火星のよさがまっすぐに流れ出した2016年のはじまり。1月5日からは水星が逆行しています。今回の逆行は1月25日まで。あたらしい年のはじまりではありますが、ゆっくりと昨年のことを振り返りながら、調整しながら、見直しながら、はじめてゆく。そんな流れを感じます。不本意だったことがあるのであれば、やり直しの機会を得るはずです。今あなたはきっと、あの時とは違うステージに立っているのでしょう。問題を解決するのではなく、それを見る立ち位置を変える時、問題は消えてなくなってしまうはずです。
水星はみずがめ座の入り口からやぎ座へ戻り、この先、冥王星の位置まで戻ってゆきます。昨年の終わり、火星にはてんびん座があって、やぎ座の冥王星、おひつじ座の天王星を刺激していました。冥王星と天王星の90°は、2011年から2015年までのおおきな変容の時を象徴していました。その余韻にあって、この変容がもたらした「あたらしい視点」を確かめているのが「今」という時であるのかもしれません。昨年の終わりに経験したこと、それが「解けたと思った謎が舞い戻るような」出来事であったのであれば、それはきっと、あなたの「あたらしい視点」をより確かなものにする、より一層明らかにする、そのための出来事であったのかもしれません。
この季節、水星が舞い戻って冥王星に近づいてゆくことで、あたらしいステージについての「思考による理解」が深まってゆくように感じます。気づくこと、腑に落ちること。そうしたことは思考を超えた場所で起こり、ゆえにわたしたちは「はっきりと」知るのです。その気づきの輪郭を鉛筆でなぞるように。そこに考えを沿わせてみる。言葉を当てはめてみる。毎日を過ごす手だてとして。人々とやり取りをする手だてとして。そんなことをしてみます。
1月24日にはしし座の満月を迎え、それまでの星のめぐりをくぐり抜けた、あなただけの「個性」をよりくっきりと感じるのかもしれません。そして、25日には水星が順行に転じます。ちょっと不思議な「時間のバイパス」を可能にしていた獣道は消え、いつものまっすぐな道に戻ってゆきます。
続いて、時間をひろげて、長期的なお話を。
余韻を残しながら解けてゆく冥王星と天王星からバトンを渡されたかのように、昨年の12月頃からは、うお座の海王星といて座の土星の織り成す色彩がわたしたちの世界へと滲み出しています。この2星は、2015年後半から2016年いっぱいにかけて、90°の角度をつくったり解いたりしながら星たちのめぐりの基調を成してゆきます。
海王星は、2012年2月に本格的にうお座入りし、この先2025年まで滞在します。うお座は海王星のホームグラウンド。たましいがひとつに溶けてゆく、広大な海のようなう領域に、イマジネーション、インスピレーション、感受性、夢、神秘、無意識といった「目に見えない」事柄を扱う海王星が滞在するのがこの期間。そして、天体はホームグランドに帰るとその力を増すと言われています。
2011年から2015年の間、冥王星と天王星が「意識の外縁」を刺激しながら「あたらしい視点」を切り出していたその背後で、うお座の海王星は、まるでベールのようにその全体を包んでいたように感じます。そして、2015年後半から2016年という時を通じて、海王星はいて座の土星とコンタクトすることで、これまで敢えて曖昧にしていたその世界を、より現実的なものとして表現するようになるのでしょう。
「夢」と「現実」の距離はぐんと縮むのでしょうし、「神秘」や「スピリチュアル」とされてきた事柄ものもまた、その「非日常性」「非現実性」を取り払われてゆくように思います。「変わった」ことではなく、「日々を生きる叡智」として。「目に見えないこと」が、これまで以上に叡智としての姿を顕し、時に「哲学」として日常に降り立ち、わたしたちがそれへと向ける信頼がよりリアルになってゆく中、個々の状況を変化させる必要に出会う人も少なくないのかもしれません。変化は90°の作用。それもまた、自然な流れのひとつであるはずです。
うお座も、海王星も、「危険」な作用をすることもあり得ます。茫漠とした世界に耽溺してしまう。相手にどこまでも感情移入してしまう。そうすることでその手に持ち得る力を放棄してしまう。こうしたことも起こり得るのです。けれど、わたしたちはすでに「あたらしい視点」にあります。この視点の前に、こうした危険性はもはや「旧い」ものであるはずです。視点が明晰であるほど、ひろいほど、高くそして深いほどに、こうした無意識の「負の作用」は自ずと消失してゆくように見えます。
星たちのめぐりは無軌道なようでいて、実際、無軌道であるのでしょうが、けれど、わたしたちがそこに見いだす物語はいつでも、愛に満ちています。そして。愛とは、つまり、愛を見つける力なのです。
祝福に満ちたひと月を!
まずは太陽のサインでお読みくださいね。次に、気になる方はご自身の月のサインで覗いてみてください。あなたは月に養われながら、太陽を表現しています。
おひつじ座 人間関係がクリアになってゆく中で、自分が担っている「役目」を少し見直してみるのかもしれない。もし「誰か」を基軸にして立ち位置を計っていたのなら、内側から涌く力に照準を合わせ直してみるよ。 |
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おうし座 大切な人が、何故大切なのか。その理由が力強くあなたを貫くのかもしれない。相手を想う、その力がここにある、そのことがよろこびなんだよね。 |
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ふたご座 いつもと違うリズムの中、きらきらした人が視界に入って来るのかもしれないな。そして、その人の登場があなたをバージョンアップさせる原動力になるのかも。 |
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かに座 目の前にひろがっている世界は映画のようなもので、いつかは終わって幕が降りる。ふとそんなことを想うと「なんてすばらしいことに巻き込まれてるんだ!」って、はっと気づいたりする。あなたの世界をよーく観察してみて。観ることは、愛でること。愛することがよろこびだよ。 |
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しし座 当たり前になっていることにほど、感謝をしたくなる。そんな瞬間が連なるのかもしれない。守られてると、守られてるってこと、見えなくなっちゃうんだよね。ちゃーんと守られてるよ。 |
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おとめ座 去年の8月ぐらいからのこと、ちょっと見直してみるタイミングにさしかかっているみたい。これ全部要るかな?量ではないからね。本当のあなたがうれしいことだけ、残したらいいんだよ。 |
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てんびん座 苦手な状況に巻き込まれていたのかもしれないけれど、力の入れどころが見えてきたかな。実質的なことがあった方が、ちゃんと対応できる。今はやさしい言葉も見つけやすいから助けてくれるね。 |
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さそり座 「きらきらした感じ、いいな」って思うこともあるのかもしれない、のだけど、さそり座さんは結局、真なるもの、髄なるものでないと、納得しないのだよね。そして。納得したら、迷いなく、ものすごい力を出す。そんな季節です。うん。 |
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いて座 満月の頃まで、ときめきウェーブ到来、ですね。ときめきに身を任せるの、時としてちょっと怖いのだけど。きっと今は、目には見えない根拠がじわーっと感じられるのだと思うの。表向きふわふわしてるけど、ちゃんと芯がある。二層構造。というのも可能なんだよ。 |
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やぎ座 静かになるほど、聴こえてくる声もあるのかもしれない。そして、それに応じて見直してみるのも、あり。絵が大き過ぎて見えていなかったのなら、それが少し見えてくるのかもしれないな。わたしは何をしているのか。見えてなくてもいいのだけど、見えると安心することもあるよね。うん。 |
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みずがめ座 底力を見せちゃうのかもしれない。成果を出す。「成果」自体にはあまり興味がないのかもしれないけど、「影響力」には惹かれるところがあるのではないかしら?そんなところ、あるんだと思うな。悪いことじゃない。すてきなことだよ。 |
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うお座 「知りたい」という気持ちがむくむく涌いて来るのかもしれない。その気持ちにまっすぐに。出かけたり、本をひらいたり。うお座さんにとって、ひろげることは、深めることだよね。自分の深さを手探りする。たっぷり触って、いっぱい安らいでください。 |
12月11日、新月はいて座で起こります。太陽とお月さまが巡り会い、顕在意識と潜在意識が重なりあう静謐の時。水面は凪となって、揺れのない透明に、こころの奥底が透き通って見えるのです。
新月のタイミングに、さそり座の金星はうお座の海王星と調和の角度を取ります。一方で、おひつじ座の天王星、てんびん座の火星、やぎ座の冥王星の3星は緊張の角度を取っています。
後者の緊張の角度は11月下旬あたりからじわじわと形成されてきたもので、この新月の頃ピークを迎えます。「カーディナル(活動宮)」と呼ばれるこれらのサイン。2011年から2015年にわたって鳴り響いたおおきな変容は、おひつじ座の天王星とやぎ座の冥王星を中心に表現されました。2星の緊張は今年の前半に最後のピークを迎え、今はゆるやかに解けている最中。わたしたちはその余韻の中にあります。
ここでの「緊張」という表現も方便に過ぎません。調和があって、緊張があって。緩急がありながら、音楽は展開してゆきます。変化のない穏やかな季節もあれば、変化がぐりぐりと促される季節もあります。「現状を維持したい」というのは、わたしたちの生存本能の声です。その方が安全であるように見えるから。けれど。すべては流転し、すべては無常です。わたしたちを流れ、通りゆくうつくしい映像と音楽。その感動を全身全霊で体験するために、わたしたちはここに降り立っています。だから、「緊張」とされるそれもまた、大切な働きなのです。
火星という「尖った」星がここに加わることで、この季節、何らかの印象的な出来事がこと人間関係においてあらわれるのかもしれません。表面を剥ぎ取り、その内側、そのさらに奥にある本音に触れる時、あなたは、ここまでに通ってきた「おおきな変容の季節」を思い出すのでしょう。それが何を示そうとしていたのか。あなたをどこへ導こうとしていたのか。
どこに立つ時、愛の視点を得ることができるのだろう?
そう問います。勝ち負けや損得にこだわる時、いくら勝って、いくら得をしたとしても、愛に還ることは叶いません。愛の感覚が欠如する限り、幸せの感覚もひろがらないはずです。こう問うことで、視点は取り戻され、さらに高められるはずです。そうやってあなたは、あなたという視点を、そのあたらしいあり方を確かな物にしてゆくはずです。
このタイミング、さそり座の金星とうお座の海王星は調和の角度を取っています。受容性の高い2星は、感情を司る水のサインにあります。受け入れることが、愛の表現を可能にします。その時、あなたは「おおきなあなた」である必要があります。ちいさなあなたのまま受け入れることは、あなたを疲弊させてしまいます。あなたが、あなた自身をまるっと包み込む時、あなたはよりおおきくひろがることができます。自分をまるっと余すことなく愛することが、あなたをひろげます。あなたがひろがる時、愛はひろがることをゆるされ、あなたの視点は高まり、結果としてあなたは受け入れているのです。
おおきなひろいひろい空間。
宇宙の全体が、わたしである。
そんな可能性に、わたしたちは安堵するのです。
12月22日、太陽はやぎ座へと移動し、冬至を迎えます。闇は冬至に極まり、極まって光へと流れ出します。極まっては、移ってゆく。わたしたちが呼吸をするように、宇宙の全体もまた呼吸をしながら、リズムを刻みながら、生きています。光の季節のはじまりに、新月のタイミングに得たメッセージも輪郭をよりはっきりとさせてゆくのでしょう。具体的などのような意志を持ち、どのように行動してゆくのか。太陽の光が照らし出してくれるように見えます。
12月25日、やぎ座の太陽がかに座の月を照らし満月となります。クリスマスの満月、活動宮には星たちが揃い、また、水のサインに星たちが揃い、あたらしい季節へと流れ出してゆくわたしたちを、そして、そこに溢れる想いたちを、応援してくれているように見えます。
12月26日、天王星が順行に転じます。7月下旬から逆行を続けていた天王星は、カーディナルにある星たちと角度を取りながら、必要な「おさらい」をわたしたちに促していたのかもしれません。忘れ物を手に取って。わたしたちは前へ進んでゆきます。
1月3日、火星がさそり座へ移動します。この頃には新月前後の緊張はだいぶゆるまっているのでしょう。気づくことで視点をひろげる。その先にある景色を見ている。さそり座は火星のホームグラウンドでもあります。鋭い熱量は、彷徨いぶつかることを終え、深まりながら温度を高めてゆくのでしょう。鉄が温められてやわらかくなるように、こころの底の固まった部分がその熱量にやわらかくなって、カタチを変えることをゆるされるのかもしれません。
1月5日、水星が逆行を開始します。今回の逆行は1月26日まで。水星は、みずがめ座の入り口から逆行を開始し、やぎ座の冥王星と再会して順行へと転じます。ここでもわたしたちはきっと、「おおきな変容」の欠片を拾い集めるのでしょう。わたしたちに残っている旧い癖、習慣。そのひとつひとつに気づきながら、気づくことでわたしたちは愛へと還ってゆきます。水星は思考を司る星。逆行の季節には、「思考の旧い癖」を見つめることになるのかもしれません。また、水星の逆行中には、交通や情報の混乱が起こることも。どれもその時期に浮上し流れてゆく類いのものです。ゆったりとおおきく構えましょう。その流れもまた、あなたの内側にあるのだから。
祝福に溢れたひと月を!
次回は1月10日、やぎ座の新月にお会いしましょう。
まずは太陽のサインでお読みくださいね。次に、気になる方はご自身の月のサインで覗いてみてください。あなたは月に養われながら、太陽を表現しています。
おひつじ座 変化の季節。外からの促しもあるのかもしれない。あなたは動いて、動かされて。そして、あなたの中がやがてまっすぐになって流れ出してゆく。迷ったり悩んだりしたからこそ、動き出す時には動き出してゆける。どちらも大切な季節だね。 |
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おうし座 内側の変化に応じて、日々の暮らしの有り様を見直してゆく。広い世界、遠い世界、異国の地から受ける刺激、インスピレーションがあなたに作用する時でもある。ゆったりとしたおうし座さんの世界、変わる時はじわじわとそして確実に変わってゆくのだね。 |
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ふたご座 「やりたい!」と思うことがあって。でも、波紋を呼ぶかもしれない。そんな気持ちがあるのかな。でもきっと。あなたはやってみる。やってみて波紋が起こったとしても。それもまた必要な変化なのだと、おおきな視点で振り返ったら、きっとそう思えるのだろうな。 |
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かに座 満月の頃には、半年前の願いが満ちている。あなたが気づいている願い、気づいていない願い、こう思っていると思っていたけど本当はそうではなかった思い。あらゆる心象は、景色となってゆく。顕われたものは、過ぎ去ってゆくもの。景色を見て、自分を知り、自分の願いを知り、この先何を願いたいかを見つめる。そんな満月。 |
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しし座 周囲とのコミュニケーションが熱を帯びるのかもしれない。いつも以上に饒舌なあなたがいて、そのことで変わってゆくことがある。「言い過ぎたかも…」と思うことがあるとして、でもきっと、それもそれでいいんだと思う。言わずにはいられなかったあなたがいたのなら、そんなあなたを大切に大切に想ってね。必要な変化はいずれにせよ起こるのだから。大丈夫。 |
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おとめ座 ひろがっていることがあるのなら、それはあなたが通ってきたおおきな変化と繋がっているはず。あまり整理しようとせず、今は取りあえずひろげてゆく、でいいと思う。手にしたものを握りしめたい気持ちも出てくるのかもしれない。その気持ちがあるのなら、あってよくて、その気持ちに真正面から気づくことが、あなたを自由に戻してくれるはずだよ。 |
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てんびん座 人間関係に動きがある季節。変化もあるのかもしれない。変わってゆくのは怖いし、怖いから「いけないこと」だって思うようにできているわたしたちなのかもしれない。けれど。きっと必要な変化だよ。よりよくなってゆくための変化。だから全部、大丈夫だよ。 |
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さそり座 もぞもぞ、ぐるぐる、よく見えていなかったこと。よく見えないから振り回されて、混乱していたこと。それがふわっと見えてきて。見えたらもう大丈夫。あなたは深めてゆけるよ。熱量は愛情で、愛情とともに深まってゆく。深さはひろさだね。懐のひろさ。それが愛だよ。 |
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いて座 新月には喧噪を離れて、あなたの願いをまっすぐ見つめてみる。「怖い」と思っていることがあるのなら、それもまっすぐに見つめてみる。それも願いの一部だから。幸せになりたいって思う前に、現状を維持したいという生き物としての欲求があるのかもしれない。それもまたよし。でも、それがそこにあることに気づいてあげるよ。冒険者のいて座さんだからこそ、敢えて「怖い」を認めることは、きっとおおきな力になるよ。 |
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やぎ座 何となく釈然としない、ちょっとズレているような気がするのであれば。後からやり直しの機会を与えられるはず。今は、今できるベストを尽くす。後からわかることがあって、その時になったからできることがある。もしお仕事面で変化があるのなら、それはあなたの変化に即した変化であるはずだよ。あたらしい服が必要になる時って、あるよね。 |
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みずがめ座 後半あたりから流れがスムーズになってゆくのが感じられるのかもしれない。あなたらしさ、あなたの個性、そういうものがまっすぐに表現されて流れ出してゆくようになる。ここまで、ちょっと道草しながら、考え事をしていたのかもしれないね。そこで得たあなたらしさの「哲学」があって。その熱量が動かしたことがあるのかもしれない。だから、拓けてゆくのだね。 |
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うお座 満月の日、あなたの底にずっとある茫漠とした願いがよりはっきりと見えてくるのかもしれない。そこにはたっぷりのやさしさと思いやりがあるのだと思う。あなたらしい、やわらかでやさしい願い。自分だけのことじゃなくて、みんなのことを考えているんだよね。あなたも含めたみんなが、やわらかに幸せであれるように。その姿が見えてくるのかもしれないね。 |
11月12日、さそり座で太陽とお月さまが出会い、新月となります。
しんと静まる闇月の時。波立つ水面は凪となって、顕在意識と潜在意識がまっすぐに向き合うのです。さそり座は、心の奥深くに果敢に潜り、たましいの輪郭に触れようとする、静かに、けれど高温で燃える青の炎のような神秘的な熱量をたたえるサイン。また、新月の太陽とお月さまはうお座のカイロンと調和の角度を取っています。カイロンは、癒すべき傷の在り処を示してくれるお星さま。傷口は入り口であり、わたしたちはそこを通り抜けることで、本来の自分へと還るおおきな一歩を踏み出します。
さそり座の新月の深く静かな時間、ちくっと痛む場所にこそ、ざわざわっとざわめき立つ場所にこそ、おおきなヒントが潜んでいることがふと見えて来るのかもしれません。気づかれないままの想いは、あなたに語りかけ続けます。どんな想いであっても、世の中的にどんなレッテルを貼られた想いであっても、それがそこにあることに気づき、ぎゅっと抱きとめてあげる。そうすると、想いたちは解かれてゆきます。そして。その解かれた様子はそのまま、あなたの世界となって滲み出してゆくのです。心象風景が変わってゆくことで、あなたの見る世界もまた、変わってゆきます。
11月19日、海王星が順行に転じます。
今年の6月12日から約5ヶ月間、逆行を続けていた海王星。太陽系の果ては、心の奥底でもあります。その流れがここで転じてゆきます。潜在意識の深いところで、じっくりと探っていたこと、問うていたことがあるのであれば、「答え」の顕われとともに、進展する景色となってあなたの眼前にひろがるのかもしれません。
11月23日、太陽がいて座に入宮します。
深く静かなさそりの世界から一転、駆け上がる脚力で、いての自由で楽観的な世界が開けてゆきます。太陽は冬至へ向かって闇を深めてゆきますが、その先の闇から光への転換をすでに感じはじめる季節であるはずです。いての自由と楽観は、表面的なそれではありません。そこには、さそりの世界で踏み込んだ、幾層にもわたる深みが秘められています。さそりの世界を経験するからこそ、いての世界は開けてゆきます。自由とは、楽観とは、つまりそういうことなのです。そうしたところから生まれる、深くまろやかな炎。12月のわたしたちを温め、生かすのは、そんな炎であるはずです。
11月26日、いて座の太陽がふたご座の月を照らし、満月となります。
いて座の太陽は土星、水星の近くにあり、向き合う月と太陽は、うお座の海王星とエッジーな角度を取っています。同時に、おひつじ座の天王星、てんびん座の金星、やぎ座の冥王星もまた、エッジーな角度を取ります。熱量とともに上昇し、拡大していること。そこには高揚感と同時に、何らかの危うさがあるのかもしれません。そうした「危うさ」に、「安定感」と「潤い」が与えられるタイミングであるように感じます。満月の「満ちる」作用ともあいまって、何らかの「ピーク」と「変化」の時となるように感じます。
ここで大切なのは、この「安定感」は、あたらしい時代の「安定感」であることです。昔懐かしい安定感を持ち出さないこと。これまでのこだわりに引っ張られずに、できるだけ高い視点で見つめた時に感じられる安心を中心に据えること。「潤い」についても同じです。できるだけ広い視点で見つめた時に感じられる慈しみに情の中心を据えてみること。それらは「愛」の感覚に近いものであるはずです。心地よさ、安らぎ、慈しみ。あなたのハートがまん中から開いてゆくような安定に、潤いに、くつろいでください。
12月1日、天王星、水星、月が火のグランドトラインを形成します。
満月のざわめきが、情熱に変換されてゆくのが感じられるのかもしれません。それはきっと、あたらしい姿の情熱であるはずです。わたしたちの感覚は刻々と変化を遂げています。情熱の姿、その持ち方、あり方もまた、変化をしています。「あの時こうだったから」と過ぎ去った記憶を頼りに起案するのではなく、今の感覚、今感じていることを起点にして動いてゆく。自分の嘘をつかないことが、あなたを幸せにし、あなたの世界を幸せにします。
そして。
時間はいつでも「今」という中央から放射状にひろがっているのです。時を直線的にみないこと。そのことは、いつであってもわたしたちを本来の姿へ還してくれます。
次回はいて座の新月にお会いしましょう。
今回は「新月の日の魔法の言葉」をお届けします。
まずは太陽のサインでお読みくださいね。次に、気になる方はご自身の月のサインで覗いてみてください。あなたは月に養われながら、太陽を表現しています。
おひつじ座 ここでもう一皮、剥けちゃうのかもしれません。突然飛び込んでくるあたらしいことも、きっと受け入れてみるのでしょうね。そうしてまたひとつ、ひろがってゆく。ひろがること、深まること。それが変化です。変化を遂げ続けているおひつじ座さん。その果敢な姿は、まわりの人々の瞳に眩しく映っています。 |
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おうし座 大切な人への想いをぐっと深めてゆく時なのかもしれません。特別な人へ注ぐ、甘い想い。おうし座さんの五感は総動員されるのだろうし、細胞のひとつひとつがふるふると震えるような、そんな満ちる感覚こそが、おうし座さんの世界をどんどんと高みへ開いてゆくのでしょうね。 |
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ふたご座 半年前の願い、覚えていますか?満月の頃、あなたの世界に映っていることと、半年前にあなたが思い描いていたことを見比べてみる。かみ合っていること。いないこと。その隙間にこそ、あなたの本音が隠れているのかもしれません。隠れている本音を聴いてみてください。本音が聴こえたら。世界は一瞬にして変わります。 |
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かに座 やわらかな想いが深くしっとり満ちてゆく。その潤いの中にこそ、かに座さんのやさしさはひろがって、やさしさの最中にこそ、あなたのあなたらしさがきらきらと立ちのぼってゆくのですよね。歌いたい歌をどんどんと歌ってみる。遠慮しなくてよいのです。発した分だけ、あなたの輪郭がまたうつくしく描かれてゆきます。 |
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しし座 情熱の行く先について、じっくりと考えるような日々が続いていたのかもしれません。勢い任せではない。じっくりと安定した、暖炉の炎のような火を燃やしたいのですよね。だからこそ、じっくりとしている。勢いがないと不安になるようなところが、しし座さんにはあるのかもしれませんが、今はそれでいいのです。そしてこの季節「!」と閃くことがあるのかもしれませんよ。 |
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おとめ座 あなたの世界に要素が増えてきているのなら、その中から本物が見えてくる時なのだろうと思います。取りあえずは受け取ってみる。そして、吟味をしてみる。あなたのたましいの光に照らしてみるんです。そうしたら本物が見えてきます。握りしめなくて大丈夫。そこに心を寄せていれば、あなたは、あなたにとっての本物になってゆくから。そうしたら。あなたの世界全体が本物になるんです。 |
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てんびん座 恋すること。愛すること。そこにブレイクスルーのヒントがあるように見えます。愛情を受け入れること。わたしの、わたしに対する愛情を受け入れてみる。わたしって、思っている以上に、わたしのことが大好きなのです。そうしたら「何だ、わたしってこんなに愛されていたんだ!」ってわかるようなことが、ちゃんと起こっちゃいますよ。うふふ。 |
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さそり座 お誕生日の方、お誕生日おめでとうございます!あなたのあなたらしさが、くっきりと感じられる時です。ありのままのあなたが、ありのままで、本当にうつくしいのです。欠点に見えるようなところも、すみずみまで、凸も凹もあって、あなたなのだから。ありのままで、愛されています。安心して、あなたらしくいてくださいね。 |
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いて座 お誕生日の方、お誕生日おめでとうございます!いて座ワールド、少しずつ様相が変わってきているところでしょうか。責任が増すようなことも起こっているのかもしれません。それはひとえに、あなたに「力」があるからです。自分の「力」をもっと発揮してしまっていいのだよ、と、そんなことを宇宙は伝えようとしているのかもしれませんよ。あなたらしい、あなたならではの、あなたが高鳴る「力」。遠慮はいりません! |
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やぎ座 お仕事で、お役目で、何か「きらり」と輝くことを見つけるのかもしれません。あなたの内に。あなたの外に。そのことが何らかのきっかけとなって、あなたの意識はまたひとつ深まって、高まってゆくのかもしれませんね。あなたがよろこびとともに表現することがあって、それを受け取る人がいる。その循環がそこに、仕事や役目を生むのです。名前は後からつけたらよいよね。 |
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みずがめ座 大切な仲間たちを、見つめ直しているところなのかもしれません。そこには、理想や志があって。そこには、あなたのそれらが映されている。社会的な制約でもなく、情によるつながりでもない、場。そこに誰にいてほしいのか。あなたはそこに、あなた自身の価値観を見ているはずです。 |
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うお座 誰かを癒してあげたい、という気持ちは、あなた自身を癒したいという気持ちであるはずです。相手に見ていることを、自分にも見ている。その想いを、あなたの中心へ還してゆきます。あなたというまん中へ還れば還るほど、世界は安らいでゆくはずです。癒しは全体で起こるもの。「ここ」だけ、「この人」だけ、ということはね、きっとないのです。 |
9月13日から28日まで、日蝕と月蝕に挟まれた2週間、いかがでしたか?
心身が揺れやすい新月と満月のタイミングですが、日蝕と月蝕では新月・満月それぞれの作用がよりはっきりと表現されます。水星の逆行も相まって不調を感じた方も少なくなかったかと思います。こうして揺り動かされる時は、たましいの変容の機会。右へ左へ揺れた分、まん中にあるあなただけの道がくっきりと浮かび上がります。
そして。心と体はいつでもひとつ。心が手放しゆく時、体もまたそれを浮上させ、顕し、解いてゆきます。受け入れ、委ねることを迫られる、変化のタイミング。そうする中で、宇宙へと自らを開き、その空間に安ぐことの愛おしさが、まるで滲むようにひろがってゆくはずです。
10月13日の新月、てんびん座で出会う太陽とお月さまは、おひつじ座の天王星と向き合い、やぎ座の冥王星ともタイトな角度をつくります。
やぎ座の冥王星とおひつじ座の天王星。この2つ星は、2011年から今年の前半まで90°の角度をタイトに形成し、深く大きな変容を促してきました。うねりのピークは過ぎ、わたしたちはその余韻にあたらしい世界の予感を見ています。
変容の流れのその先に立ちのぼる、あらたな世界。この新月、そこにこの先の鍵となる人間関係が浮かび上がるのかもしれません。あたらしい人とのあたらしい関係性。これまでの人とのあたらしい関係性。物語の詳細は十人十色。でも、そこに共通するのは「あたらしい、わたし」という大きな前提です。「わたし」が刷新される時、あらゆる関係性は色彩を変えてゆきます。変わりゆく関係性。その色彩の移り変わりに、あなた自身が遂げてきた変容を見る人も多いはずです。
この時期、おとめ座の木星はやぎ座の冥王星と調和の角度をとっています。
8月11日以降、おとめ座で歩みを進める木星。あなたの世界にひろがりゆくメロディ、自身を慈しみ、細やかさというやわらかさに調べを整える丁寧な有り様が、顕われゆくあたらしい世界とあなたをやわらかに結ぶように見えます。大切に、大切に。自らをたっぷり大切にした先にひろがる世界だからこそ、そこに愛は、自ずとあふれ、めぐるのです。10月26日には、ベネフィック(吉星)とされる金星が木星がおとめ座で出会います。こうしたことのよろこびが、よりわかりやすく感じられる時となるのかもしれません。
10月24日、太陽はさそり座へ移動し、27日には満月となります。
この先、冬至へと向かう季節、闇は日に日に濃さを増します。暗闇の静謐に、自らのたましいの奥深くに触れる。この季節、そんな作業をする人も増えてゆくのでしょう。ここまでのてんびん座の季節、人々と向き合い、関係性を見つめた分、その反射の源であるわたしへと眼差しは還ってゆきます。世界と反射する「わたし」を見つめ続けること。一見孤独な作業は、けれど実は愛に満ち、そしてその果てに、世界はやがて自由へと高鳴り、愛へと開けてゆくのです。
次回は11月12日、さそり座の新月にお会いしましょう。
今回は「新月の日の魔法の言葉」をお届けします。
まずは太陽のサインでお読みくださいね。次に、気になる方はご自身の月のサインで覗いてみてください。あなたは月に養われながら、太陽を表現しています。
おひつじ座 外なる世界に映し出されること。それはそのまま、内なる心象風景の表出。嫌なことほど、曲げずに、覆わずに、言い訳せずに、そのままをまっすぐ、まるっと受け止めてみる。それは、あなたを否定することでも、責めることでもない。ただただ、あれこれ考えず、受け止めてみる。道は、そんな「どまん中」に開けているみたいだよ。 |
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おうし座 丁寧に。大切に。蔑ろにしない。それを、あなたのまん中からひろげてゆく。あなた自身を除外してはダメ。あなたのまん中から。あなたのハートのまん中から。きれいなお花が開くイメージで。丁寧に。大切に。そうやってひろがってゆくよ。うつくしい世界。 |
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ふたご座 大好きな人と、お話をする。大好きなことについて、お話をする。何も考えずに、心の赴くままに、無邪気な子どものように。心の扉が開いて、風が入って来る時、あなたの中には風が立って。それが、この先の光になってゆくかもしれないね。光はあなたで、そして、あなたを導く。あなたは知っていて、知っているあなたを追いかけてゆくの。だから安心して大丈夫。 |
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かに座 誰かを大切にしたいという気持ち、守りたいという気持ち、そんな気持ちを紡いでゆきたいという想い。まっすぐに。まっすぐに。罪悪感を持たなくてよいのだよ。足し算も、引き算もしない。その気持ちがあるということ。その愛おしさをまっすぐに持っていれば。あたたかさは自然とちゃんと紡がれてゆくよ。 |
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しし座 言葉にしなくてもわかりあえる、のだけれども、敢えて言葉にした方がよい場面、やっぱりあるのだね。わたしたち、人間だもの。敢えて、言葉にしてみる。かわいい小鳥たちをたくさん放ってみる。小鳥たちのさえずりはメロディになって、それにのって踊るのは、他でもないあなたなのだね。 |
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おとめ座 今ここで起こっていること。あなたがしていること。それが何であっても、それにうっとりしてみる。見ている、食べている、触れている、聴いている、なんでもよい。そのことの甘美さに入り込んでゆく。思っている以上にわたしたちの体感はふかく、そして、ゆたか。幸せがどこに潜んでいたのか、見つけてしまうかもしれないね。 |
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てんびん座 ちょっとした緊張感もあるのかもしれない。あたらしい世界がひらけてゆく時の、よろこびと入り交じった緊張感。ぴりっとした空気を感じつつ、でも、迷うことなく一歩を踏み出すのだね。大丈夫。この先開けてゆく世界が間違っていないこと、あなたはちゃんと知っているはずだよ。てんびん座さん、一見スマートだけれど、ちゃんと心配もするのだよね。そこも含めて、あなたのすてきなところだよ。 |
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さそり座 深いところに降りてゆくと、そこは次第に愛に満ちて、みんながつながっているのだということ、そんなことが見えてくる。その風景。ひと休みして、立ち止まって、その風景を味わってみる。そんなことは実際的でないように見えて、実はあらゆる問題を超えてしまう魔法の力を持っているよ。問題には対峙せず。問題のあるステージから飛び立ってしまうの。うふふ。 |
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いて座 未来のビジョンが見えてくるのかもしれない。意図は予感で、予感は意図で。予感する時あなたは、意図している。意図する時あなたは、予感している。遠慮はいらないよ。あなたがありたいように。ありたいままに。自分に嘘がなければないほど、予感はまっすぐにカタチになってゆくの。遠慮と嘘のないところ。 |
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やぎ座 きっとね、信頼されることをとても大切にしているのだと思う。でもそれは、体裁とか、保証とか、責任とか、そういう表面的なことではなくて、信じあうというやり取りに、あなたが愛を感じるからなのだと思う。そこに立ち返ること。信頼という愛に。そのまん中のまん中を見つめている時、どんなに真面目で真剣なことであっても、すべては軽やかに歌い出すよ。 |
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みずがめ座 知ることは、あなたをもっともっと自由にする。本当の知恵を持てば持つほど。あなたは自由になってゆく。自由へと解かれてゆく。そのための知恵。学ぶことで、体験することで、そんな知恵に触れてゆく。あたらしい知恵に触れたいと願うあなたのそんな疼き、ちゃんと見つけてあげてね。 |
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うお座 大好きな人から目をそらさない。想い過ぎているかもしれない、好きすぎるかもしれない、離れられないかもしれない。そう思うなら思うほど、その想いを見つめてみる。見つめるには、一歩引く必要があるよ。一歩引いて見つめてみる時、あなたはあなたの心の風景を見ていることに気づくはず。あなたと誰かの絆は、あなたとあなたの絆。あなたがあなたを知るために、その人はあなたのすぐ近くにいてくれるのだね。 |
9月13日、おとめ座で起こる新月は日蝕。いつもよりも濃密で深く静かな眼差しを、太陽とお月さまはわたしたちに注ぎます。
木星を迎え、その存在感を高めているおとめ座。木星のおとめ座滞在はこの先の1年間ですが、そこにひろがってゆくことの「予感」を、この新月の静謐に見つけるのかもしれません。それは決して賑やかで派手なことではなく。密やか、細やか、そして、溢れるほどにゆたかです。過去1ヶ月の間、しし座からおとめ座へと視点を切り替えてきたわたしたち。「おとめ」の視点にそろそろ立っている頃でしょうか。細やかさを見て、感じるがゆえに。わたしたちは自ずとあるがままの姿へと整えられ、そこにゆたかさを見出すはずです。
9月17日には、おとめ座の木星とうお座の海王星が向かい合います。木星も海王星も、どちらもがひろげ、境界線を超え、溶かし、そうした拡大と膨張の作用を持っています。おとめ座はカタチある世界に軸を置きながら、そこに「治療」を可能にするサイン。うお座はカタチなき世界を抱きながら、そこに「治癒」を可能にするサイン。「わたし」と「あなた」の関わりの手前でざわめく心。両者の交流に溢れ出すような流れを見ることも、また、その狭間にぶつかりながら交わりあう流れをみることもできます。体の奥と心の奥は、しっかりとつながっています。これまで見過ごしてきたことが浮かび上がるのであれば、それは大切な徴です。
9月18日には、土星がいよいよいて座に本格的に移動します。昨年の12月に一度いて座に入ったものの、今年の6月にはさそり座に舞い戻っていた土星。6月からここまでの数ヶ月、さそり座に残した土星の忘れ物に向き合った人も少なくないのでしょう。さそりの世界は、心の奥底、たましいの淵にひろがっています。そこへ降りてゆくことのできるのは、最終的には「わたし」ただひとり。底へと続く狭い通路、暗がりの螺旋階段を降りる中で、わたしたちは様々な心象風景に出会います。悲しみ、怒り、憎しみ。「否定的」とされる感情ほど、その世界に棲んでいるのでしょう。出会い、見つめ、受け入れる。わたしたちの勇気が、そんな感情たちを解放してゆきます。そして。最後の扉を開く時、わたしたちは突然、広大な世界へと解き放たれます。「わたし」は「世界」であったことを、その奥底で明らかにするのです。
心の奥底に向き合うことから逃げなかったからこそ。この先、わたしたちは、その広大な世界、ひろい視野、高い視点、学び高めること、そうした高い精神性の炎へとコミットしてゆきます。そこには鍛え、磨き上げる、そうしたストイックな一面もあるのでしょう。それもまたおおきなよろこびに包まれて、よろこびの中で、何らかの役割を買って出る、広い世界へと一歩足を踏み出す、そうした時を迎える人も多いのかもしれません。土星は2017年12月までいて座に滞在します。
そして、この18日には、水星がてんびん座で逆行を開始します。今回の逆行は10月9日まで。いて座の土星というあたらしい世界を描きはじめるにあたり、過去を振り返ること、いったん立ち止まること、そうした時間に遭遇する人もいるようです。水星逆行中は、マインドが好むような「直線的な出来事」が普段より少なくなります。意外な出来事、時間を無視するような出来事。そうした「曲線的な出来事」にも、可能な限り自身を委ねてゆくとよいのかもしれません。必要以上の抵抗は、思考から体へと困惑と緊張を伝え、体調のバランスを崩すことにもつながりそうです。いずれにせよ一過性のことがほとんどです。ゆったりと構えてください。
9月23日には太陽がてんびん座に入り、秋分を迎えます。そして、28日にはてんびん座の太陽がおひつじ座の月を照らし満月となります。この日の満月は皆既月蝕。そしてスーパームーンでもあります。月が地球に接近して起こる満月がスーパームーン。そして、満月の力がさらに強く表現されるのが月蝕です。日本での月蝕の観測は難しいようですが、天体の力は地上に平等に降り注ぎます。
おとめ座の木星とうお座の海王星の対峙。そして、おひつじ座の月とてんびん座の太陽の対峙による月蝕。この時期の星のめぐりに、春分点と秋分点を結ぶホロスコープの横軸を意識せずにはいられません。「わたし」と「あなた」。「わたし」と「わたしを取り巻く世界」。そこには確固たる境界線があるようでいて、けれどそれは、まるでやわらかなシフォンのベールのように、ゆらゆらとたなびいて、わたしたちはいつでもそれを、ひらりと超えることができるのです。
「あなた」が「わたし」であること。
「わたし」が「世界」であること。
「世界」が「わたし」であること。
その視点は、安らぎと愛をもたらします。
その気づきに、わたしたちは微笑みます。
祝福に満ちた、すばらしいひと月となりますことを。
まずは太陽のサインでお読みくださいね。次に、気になる方はご自身の月のサインで覗いてみてください。あなたは月に養われながら、太陽を表現しています。
おひつじ座 学びを深める。そんな気持ちが涌いてくるのなら、キャッチしてみる。時間を掛けてじっくりと学ぶそれは、あなたの血となり肉となり、この先の長い時間、あなたを支えるはずだよ。あなたを高める2年間。 |
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おうし座 生き物としての艶っぽさ。そうしたことの奥深さがあなたを捉えるのかもしれない。軽々しいことではなくて、うっとりと奥深いこと。あくまでも真摯に向き合う。そして深まってゆく。艶っぽく、うつくしくなってゆく2年間。 |
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ふたご座 パートナーシップってどういうことだろう?どうしたら天秤はバランスを保つのか。相手を見つめる時、見つめているのはあなた自身。アタマで理解してみる。それがだんだんしみ込んでくる。意味は幾重にも深まって、やがて秘密の扉を開くよ。約2年間の物語。 |
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かに座 毎日のこと。ひとつひとつを丁寧に、うつくしく。地味に感じる?でもね、毎日のことがしっかりと丁寧なことほど、ゆたかなことはないと思う。うつくしさは日常に舞い降りる。日常の光景をうつくしくしてゆく2年間。 |
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しし座 やりたいことを、しっかりとやる。やりたいことだから、思いっきりあそびたいから、だからこそ、しっかりと責任を取ってやる。「しっかり」やることは、あなたを不自由にするのでも、あなたをあなたから引き剥がすのでもなく。まん中をしっかり信じて、あなたへと還ってゆくよ。しっかりとあなた色になってゆく2年間。 |
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おとめ座 いろいろなことがひろがってゆく中で、身近にいる人、いてくれた人、そうした人たちが変化してゆくこともあるのかもしれない。この先1年の変化は、そのさらに先の1年であたらしい「居場所」へとあなたを着地させてゆくのかもしれない。 |
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てんびん座 日々の思考が言葉をつくり、日々の言葉があなたを取り巻く空気となって、世界となるよ。言葉をちゃんと選ぶこと。思ってもいないことを、心の屈折から発しないこと。ひとつひとつの選択であなたの世界を塗り直す2年間。 |
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さそり座 あなた自身がひと段落してゆく中で、そこに定まった土台からカタチにしてゆきたいものが見えてくるのかもしれない。これまで真摯に向き合ってきた分、この先育てるそれを、心から大切にするあなたがいるのだね。あなたの世界に具体性を育む2年間。 |
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いて座 準備が出来ているのだと思う。力は過小評価も過大評価もしない。ありのままのあなたで、そのあなたに相応しいことが舞い降りる。逃げずに引き受けるのだと思う。それはあなたを不自由にはしないはず。自由の概念を今までと違う角度から見てみると、責任の色も違ってくる。うん。いっぱいできるし、いっぱい引き受けて、その分愛されてゆく2年間。 |
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やぎ座 表からは見えない。でも、心の深いところでいろいろを精査してゆくのだろうと思う。恩恵もたっぷりあって、ひろがってゆくこともある。あたらしい出会いもある。あたらしい出会いにあたらしい光景を見つける分、心の底をしっかりと整理してゆくように見える。内なるお水たちを透明に、浄化してゆく2年間。それはそのまま、あなたのうつくしさとなって表に現れるよ。 |
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みずがめ座 理想として掲げてきたことを、いったん降ろしてみるのかもしれない。理想もまた、変わってゆくもの。志すこと。願うこと。リニューアル。必要なものだけを残してゆく。その光に導かれてゆく。光はシンプルなほど透明で、透明なほどわたしたちのたましいに差し込んでくる。そんな2年間かもしれない。 |
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うお座 役目、役割。お仕事。引き受けること、引き受け直すこと。責任が重そう?多分ね、「重苦しいこと」って思わなくてよいと思うの。外の世界にあなたの可能性を発揮する、表現のチャンス。純粋にそういうことだと思う。それにともなう尾ひれはひれに焦点を当てなくてよいと思うよ。あなたを発揮してゆく2年間。 |
8月14日の新月。太陽とお月さまはしし座で出会います。
金星が舞い戻り、木星が約1年の滞在を終えるなど、ここまでのひと月、しし座という舞台の熱がいつになく高まっていました。しし座は、わたしたちの「個」としての輝きを祝福するサイン。個としてひろがるわたしたちの小さくて大きな宇宙は、様々な物語を内包しています。個としての輝き、その透明な炎に近づけば近づくほど、その核心となってゆけばゆくほど、その炎に触れ、燃えあがり、やがて消えゆく「何か」もあります。この季節、個としての輝きをなぞる一方で、そうした「灰になってゆくものたち」を見つめる機会も少なくなかったはずです。この新月の静謐に、そうした変化をあたたかく迎え入れてみる。すると、個性だと思っていたそれらが消え去ったその奥に、本当の個性がひろがっていたことが見えてくるのでしょう。
そして。8月11日には、歳星と呼ばれ約1年の流れを象徴する木星がおとめ座へと移行しました。年単位の流れを象徴する星のめぐりです。しし座が「個」をはみ出すほどに熱く主張するサインであるのならば、その先にあるおとめ座は、ひろがったそれを本来の姿形へとチューニングしてゆくサインであると言えます。
おとめ座の世界は、少し複雑な奥行きを持っています。デメテルという収穫と豊穣の女神がおとめ座の乙女であるとされる一方で、このサインは処女宮と呼ばれ、豊穣とは離れた一面を見せます。乙女を象徴する女神には、ひとつ先のサインであるてんびん座の天秤を持つ正義の女神アストレイアや、医療と健康の女神ヒュゲイアなどの名も連なります。月を複数の女神が象徴することで女性性の多面性を表現するように、「乙女」という概念もまた、幾人かの女神たちによって表されることで、そこに奥行きが与えられているかもしれません。おとめ座の支配星は水星であり、水星は思考や理性を表します。おとめ座の鍵言葉は「I analyse(わたしは分析する)」。ここにも水星の影響を感じ取ることができます。
こうした、おとめ座の世界をひも解くいくつかの「ヒント」。そららを取り入れ、組み合わせてみると、どのような世界観が見えてくるのでしょう。
まず、そこにあるのは、しし座の世界でひろがり、熱を帯びた「個であるわたし」に向けられる、分析と内省の視点です。そこには何らかの余剰があり、何らかの「本来でないもの」が混ざっているのでしょう。溢れさせて不要なものを流し出すように、おとめ座の世界は「等身大」に収めようと運動を重ねます。過剰な演出は不要ですし、過剰な自我も、過剰なドラマもまた、不要なのです。本来のわたしに属していないもの。それは、乙女の冷静で鋭い思考によって見い出されてゆきます。そうした作業は、「治療する」作業であるとも言えるはずです。そんな「整える」手によって、わたしたちは「本来のわたし」の輪郭に触れてゆくのです。
そして。わたしたちはその先に、天秤が象徴するところの「バランス」の世界を見据えています。中庸へと還してゆくバランスの運動。「わたし」の過剰は、いつであっても「世界」の過剰として映し出されてゆく。その視点に気づきを得て、まん中を感じ、まん中を信じ、まん中へと還ってゆく。乙女の内にはその予感がしっかりとあって、だからこそ、個が個に向ける視点で成り立つしし座の世界と、他者へ向ける視点を個に返すてんびん座の世界を結び、生命をめぐらせようとするのでしょう。
そうした細やかな視点。分析とも内省とも呼べる細やかな視点は、そのまま、整える運動、チューニングの作用となってひろがってゆきます。そして、細やかな粒子によって整えられる世界、その世界を見つめる視点は、そこに、ゆたかさをひろげてゆくはずです。全体の大きさは、もしかしたら少し小さくなってゆくのかもしれませんし、その中で手放してゆくもの、過ぎ去ってゆくものもあるのかもしれません。でも、そうして「本来のわたし」に近づいてゆく中で、視線は透明性を高め、そこにより細やかな視点を注ぐようになるはずです。
その時。今までひとつしか見えていなかったところに、10の、100の色彩が描かれていたことが見えてくるのです。今まで一塊にしか見えていなかったことが、たくさんの躍る粒子の集まりであったことが見えてくるのです。その気づきにこそ、ゆたかさが宿っています。おとめ座が指し示す「豊穣」「収穫」とは、そういったことであるように思えてなりません。そして、そうして可動性を、流動性を得てゆく世界であるからこそ、そこに「治療」の可能性が、生まれるのです。
木星は拡大・発展の星。それゆえにラッキースターとも呼ばれますが、それは精査することなく、収斂させることなく、ひたすら広げる作用でもあります。そうした木星の性質とおとめ座の資質は、少し異なるものです。木星がおとめ座に入宮したばかりの今、多少の戸惑いがあるとしても不思議ではありません。けれど、やがてそれらは解け合いながら、乙女の豊穣、その広がりを見つける視点へと姿を変えてゆくのでしょう。その視点の変化の先で、わたしたちは乙女の豊穣に、その収穫に出会うのです。
この先の1年が、実り多き時でありますことを!
まずは太陽のサインでお読みくださいね。次に、気になる方はご自身の月のサインで覗いてみてください。あなたは月に養われながら、太陽を表現しています。
おひつじ座 この先の1年、減ってゆくように見えることがあるかもしれない。けれど、それは引き算という名の足し算。安心して大丈夫。本来の自分に還ることこそが、何事にも代え難いゆたかさであるよ。 |
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おうし座 五感のつぶのひとつひとつがふるふると震えている、それこそがおうし座さんにとっての創造のよろこびなのだよね。そんな、あなたらしいクリエイティブが1年の幕を開けるよ。 |
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ふたご座 居場所を整えてゆく。物理的な場所だけでなく、そこにいる人、そこにある空気を、自分の中心とつないでゆく。アンテナが広くてたくさんの人に関わるふたご座さんだからこそ、居場所は丁寧に丁寧に整えるのだね。そんな1年のテーマが見えるよ。 |
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かに座 言葉を選んでゆく。言葉がわたしたちをつくってゆくから。誰かに向ける言葉であっても、それによって縛られるのは、それを放った本人。言葉の呪としての一面に目を向ける時、わたしたちは丁寧にならざるを得ない。そのことがあなたの世界を再構築するよ。そんな1年でもあるのかもしれない。 |
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しし座 ひろがったものたち、あなたのもとに転がり込んできたものたち。ここまでの1年を振り返りながら、ここにある様々な要素を改めて見つめてみる。おおきく吸い込んだ分、丁寧に、丁寧に、吐き出してゆくよ。取捨の作業にこそ、あなたの輪郭が引かれてゆく。それがカタチとなって、あなたとなってゆくよ。 |
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おとめ座 少しの困惑とともにはじまったこの季節なのかもしれない。でも、苦手なことをしなければいけないわけではないよ。その力をあなたの心地よいベクトルで使うことができるはず。発想の転換。視点の転換。思い込みを捨ててみる。嫌っていることを新たな視点で見る時、それはあなたの味方となって、あたらしい扉を開いてゆくよ。 |
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てんびん座 きっといつも予感のように知っていて、でも薄いベールに包んだままにしている世界。あなたにはきっとそんな世界があって、その世界はこの先もベールに包んだままにしておくのだと思う。でも。目を瞑ってその世界の香りを嗅いでみる。沈黙の世界に漂う香り。その香りに導かれる1年になるはずだよ。 |
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さそり座 歯車が合いはじめて、前へ進んでゆく感覚。その高揚感に包まれる時、悲喜こもごもの心象風景の一遍一遍、すべてが生き生きとする。かなしいことも、うれしいことも、同じだけあなたの世界を大切に彩る。その道先、大切な仲間に出会ってゆくのかもしれない。「恋人」とか「親友」とか窮屈なラベルを貼らないことが、関係性とそこに生まれる希望をゆたかなものにするよ。 |
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いて座 いて座さんにとっては珍しいこと、なのかもしれないけれど、しっかりと責任を担ってみるのだと思う。でもそれは重苦しいことではなくて。あなたは自由を熟知していて、たっぷりと味わっていて、だからこそ、ここぞという時に、腹の底から「任せておいて」と言えるのだと思うの。そして、そう言ってみる。それが今、あなたにとってのよろこびだから。その準備がしっかりできているから。 |
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やぎ座 学びを高めてみたり、視座を高めてみたり。「高める」ことに意識が向いてゆくのかもしれない。この先の1年。高めて、その高まった世界に着地する。そしてまた高めて、さらに高まった世界に着地する。その運動を繰り返してのぼってゆくわたしたち。あらたな視座を得たいという気持ちに、まっすぐ従ってみるよ。 |
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みずがめ座 にじり寄ってみるのかもしれない。誰かに。何かに。集中の視点。じーっと見てみる。透き通るまで。じーっと見てみる。誰かが見えていたところに、あなた自身が見えてきたら。どんどんどんどん透明になってゆく。その先に、おおきな愛がある。この世界の秘密。そんな秘密に触れる1年なのだね。 |
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うお座 パートナーシップを結んでゆく1年。仕事であっても、プライベートであっても。対等な関係性。あなたの鏡にまっすぐ映る人、人たち。うお座さんはきっと、丁寧に、丁寧に、そこにある機微のひとつひとつを見つめるのだね。細やかなままでよいのだよ。その細やかさに溶け合う人たちが、そこに残るし、それがあなたの心地のよさであるのだから。そこに嘘はつかないよ。 |
7月16日、太陽とお月さまはかに座でめぐり会い、新月となります。顕在意識を象徴する太陽と潜在意識を象徴する月がめぐり会うのが新月。闇月の静謐は、わたしがわたしと静かに対話する大切な時間でもあります。
前回お伝えしたように、この新月のあたりではいくつかの星たちがかに座に集まっており、「情緒」や「感情」が強調される星まわりに。折しも、土星もかに座と同じ水のサインであるさそり座に舞い戻っており、過去に取り残された「たましいの声」に触れるようにと、わたしたちを導いています。日本ではまだ梅雨の季節。雨の音に、水の音に誘われると、思考は、不思議と、自然とやわらかくなり、想いの中を泳ぐようになります。そうしながら、見逃していたこと、目をそらしていたこと、気づかないふりをしていたことに、あたたかな視線を注いでみるとよいのかもしれません。気づくことは認めることで、認めることは受け入れることです。そうやって、どんどんとさまざまな色彩を内包してゆく。それは、愛の運動であるはずです。
そして。ちゃんと視線を注がれ、見つめられた想いは、壁を蹴ってターンするように、底にたどり着いて蹴り上げるように、生命の力として再生し、生き生きと躍りはじめます。この季節の星たちもこの宇宙のサイクルをなぞって、生命のうつくしさを高らかに歌いはじめます。新月からほどなくして7月23日には太陽と水星がしし座へ、一度おとめ座へ移動した金星も逆行し8月1日にしし座へ戻ります。しし座では木星が、2014年7月から続いた約1年の滞在を終えようとしているところ。木星の最終章に星たちが駆け寄って、しし座の輝きを最大限に高めようとする姿が見えます。
しし座は、わたしたちの「個」としての性質、その個性を通じて表現すること、創造すること、そうしたすべてを熱く祝福します。おおきなひとつから派生してここにあるわたしたちではありますが、ひとつであるすべては、多様性に溢れ、それぞれがそれぞれの個性を光り輝かせています。だからこそ。どこまでもどこまでも安心して、思いっきり「あなた」をやり抜いてよいのです。8月前半はベネフィック(吉星)と呼ばれる木星と金星も寄り添って、こうしたしし座の資質を輝かせ、広げてゆきます。
8月2日には、いて座からさそり座へと戻りながら逆行を続けていた土星が順行に転じます。自身の内側の深い深い井戸をしっかりと見つめてきたのならば。過去を振り返るようにしか見えなかったそうした作業に、前進の力が宿されていたことが見えてくるはずです。順行に転じたばかりの土星は、しし座でめぐり会う木星&金星とエッジーな角度を取ります。あなたがあなたらしさを謳いあげようとする時、その奥の奥に、こころの底が、たましいの淵が、感じられるのかもしれません。それはどこか「疼き」に似ているのかもしれない。けれど。疼きであっても、しっかりと目を開き、見つめる。あなたの勇気ある視線は魔法となって、そこにある呪を解くのでしょう。呪を解かれたそれは、同じそれでありながら、あたらしい姿を現します。それはきっと、創作の、表現の、生命の、原動力としての姿であるはずです。
こうしたドラマを経て、歳星と呼ばれ1年の運気を象徴するとされる木星が、8月11日にしし座からおとめ座へと移動します。1年という時間の流れが、あたらしいフェーズへと入ってゆきます。そして。次の新月は8月14日、しし座で起こります。このひと月、しし座を舞台に躍るあなたのステップを静かになぞりながら、あなたの個性の輪郭のそのうつくしさに触れる、そんな新月になるのでしょう。だからまずは、その前に。陽光のもと、思いっきり躍るのですね。
太陽の光とともに
祝福に満ちたすばらしいひと月を!
お知らせ
7月25日、この木星の移動にインスピレーションを得るワークショップを行います。ぜひ遊びに来てくださいね!詳細はこちらから。
http://www.mahinapharmacy.com/workshop.html
まずは太陽のサインでお読みくださいね。次に、気になる方はご自身の月のサインで覗いてみてください。あなたは月に養われながら、太陽を表現しています。
おひつじ座 少しはみ出すぐらいでいいと思う。反省は後でちゃんとしたらよし。内側から目を背けないということも、同時に大切に。内側にしっかりと目を開いた分だけ、思いっきりうつくしく躍れるはずだよ。 |
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おうし座 大切な人がいつの間にか増えていたのかもしれないね。失いたくないと思えるほどにすばらしい人たちに出会った、そのことがそのものがギフト。失わないようにとあれこれするよりも、日々ギフトの地点に立ち返り続けることが、自然と絆を結ぶね。うんうん。 |
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ふたご座 伝えてみないとわからない。伝えたその内容が仮に理解されなくても、伝えるという行為そのものが状況を動かすこと、あるよね。知性による理解にこだわらない。情熱の伝播でもいいんじゃないのかな。それにね。きっと、すでにそうしてきたんだと思うよ。 |
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かに座 想いのヒントはからだに隠されているのかもしれない。ゆるめてみる、整えてみる。感覚がまん中へ還ってゆくと、想いもまたまん中へ還って。まん中はちゃんと、愛で満ちているから、安心して大丈夫なのだ。うん。 |
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しし座 お誕生日シーズン。思いっきり躍る!!身近な人からのひと言には、耳を塞ぎたくなるものであるならなおさら、しっかりと耳を傾けてみる。ほんとにスイートなことってね、ビターにコーティングされてたりするのですよ。ふふふ。 |
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おとめ座 情報が入ってきて、そこから動き出す。そういう展開が増えてゆくのかもしれない。ある程度の取捨は必要。でも、選り好みし過ぎない。整理は後からできるから。これはこの先の1年間に言えること。ひろがる、ひろげる。そんなシーズンの開幕! |
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てんびん座 理想を掲げて何が悪い!理想を持っていてよいの。ただ、理想と現実とのギャップにシニカルになりすぎると、シニシズムって浸透力があるので、いつの間にかそれにひたひたに浸されてしまう。でもそれは、理想を掲げたせいではないよ。この季節、理想の旗の上手な掲げ方を発見するのかもしれないなぁ。そしたらてんびん座さん、無敵ですね。 |
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さそり座 ちゃんと前が見えて、ちゃんと先の光が見えてくる。寄り道も、迷い道も、何ひとつ無駄ではなかったんだって、そうわかってくる。あなたが世の中で果たしている役割。それがあなたに「何か」を教えてくれるのかもしれない。今まで見えていなかったこと。あたらしいアングル。あなたが気づいていないだけで、あなたのおかげで救われている人が思っている以上にいるのかもしれないよ。 |
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いて座 できるだけ遠くまで、高くまで、飛んでみる、広げてみる。もちろん物理的にでもいいけれど、最終的には精神的に。マインドがひろがってゆくことは、世界がひろがってゆくことで、それはそのまま、いて座さんの無上のよろこびなのだよね。落ち着きがないなんて思わなくていい。そのおおきな運動そのものに、あなたは落ち着いてるのだから、ね。 |
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やぎ座 「手放しなさい」とよく言うけれど。「絶対手放さない!」と思っているそのものには、あなたの欠片が宿っているの。だから、その熱量をちゃんと感じる。そもそもその熱量に惹かれたのだから。ぎゅっと握っていると感じられないから、握りしめないで、手は少しふわっとさせておく。感じるために必要な空間。そうするとちょうどよいのだよね。うんうん。 |
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みずがめ座 出会っちゃうかもしれません。恋愛であっても、なくても。あまり決めつけないで、カテゴライズしないで。窓はひとつ。おおきく開けておく。「これがよし」ってあなたが思ってきたこと、崩れるのかもしれないな。食べず嫌いってこともあるものね。 。 |
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うお座 情熱。歓喜。ほとばしるもの。内側にいっぱい感じて、自分をチューニングしてゆくのだね。正しさよりも。よろこびへ。こころが満ちて溢れてゆく感覚へ。沿ってゆく。うお座さんの内に秘めた情熱は、12サインいち。きらきら、眩しいです。 |
6月16日の新月、太陽とお月さまはふたご座で出会い、ふたりはそこに火星を迎えています。
5月19日から6月12日まで、ふたご座では水星が逆行を続けていました。水星が逆行する間、めぐる思い、過去へと舞い戻る思い、そうした「思い」のやわらかな姿に出会った人も少なくなかったのでしょう。ふたご座は水星のホームグランド。そしてそれぞれが、思考、思考から生まれる言葉、言葉から生まれるコミュニケーションを司っています。ホームグランドでの逆行は、ふたご座の「力」をより透明なカタチでわたしたちに差し出したように思います。めぐる「思い」の、その奥に見つけた「声」。それは、この先の季節、あなたにとっての鍵になるのかもしれません。
新月の直前、6月15日には土星がさそり座に舞い戻っています。この先9月中旬までの3ヶ月ほどの間、2012年10月から2014年12月に掛けて展開した物語に再び触れる人もいることでしょう。けれど今、あなたは、あの時のあなたとは違う視点を得て、その違う視点からその物語を見つめています。違う視点から見つめるとき、それは、まったくのあたらしい物語としてあなたのもとに差し出されます。この3ヶ月間という期間に土星が見せてくれるのは、あなたが通ったその道に秘められていた宝物であるはずです。さらに視点を広げるのであれば、その道のりそのものが宝物であったこと、そのことに出会うための時間であるのでしょう。ここでは「絶対にゆるせない」こと「絶対に手放せない」こと、そうしたことにこそおおきなヒントがあって、それはあくまでもきっかけとしてあなたの眼前に現れ、あなたをよりおおきな自由へと解き放ってくれるはずです。よりおおきな自由は、よりおおきな空間であり、ひろいひろいその空間は、おおきな愛に満ちています。
6月22日には太陽がかに座に入り、夏至を迎えます。続いて火星、やがて水星もかに座へ移動します。これらの星たちは、さそり座の土星、うお座の海王星とともに、あなたの視線を「こころ」「感情」へと向けてゆきます。想いが満ちて溢れかえりそうになる時、その戸惑いにはおおきなきっかけが宿っています。水が満ちれば満ちるほど、わたしたちはそれを動かし、そこに流れをつくる機会を得ます。滞っている想いがあるのであれば、こころが溢れる時はチャンスです。ゆたかな水に想いたちは浮かび上がることをゆるされ、そして、解き放たれるのでしょう。大丈夫。あなたのこころは、あなたのもの。あなたの世界は、あなたのこころです。あらゆる感情はゆるされています。
一方、6月末にはベネフィック(吉星)と呼ばれる木星と金星がしし座で出会い、おひつじ座の天王星はそこに、変化球ながらも情熱に満ちた力を注ぎます。ベネフィックたちは7月上旬まで近くにあり、一時離れながらも、木星がしし座を離れる直前の8月上旬に再びめぐりあう、そんなやり取りを繰り広げます。
心象風景がどんどんとそのページをめくり、水が入れ替わってゆくようにあなたの景色の色彩がグラデーションしてゆく中、そして、そうであるからこそ、あなたはそこに燃え上がる生命の力を見つけゆくはずです。あなたのこころが解かれ、自由になり、透明になり、想いがそこにありのままの姿で流れゆくとき、その流れのやわらかさは、そのままあたたかさとなって、そしてそのあたたかさは、あなたの生命そのものであることを現すはずです。
わたしは生命である。そのシンプルな事実に驚嘆し、謙遜し、その事実を宝物として受け入れる時、そこには、カタチなきそれから生まれる情熱と創造が立ちのぼります。前提を必要としないその生命の力は、わたしたちそのものであり、わたしたちを生き、わたしたちを生かします、わたしたちは生きます。この季節は、情熱やインスピレーションに導かれた、あなたらしさに満ちあふれた何か。そうした何かをたっぷりと表現したくなる時であるはずです。
鋭いほどに透明な静謐と歓喜に溢れる生命と。
この季節は、そのはざまにあって、みずみずしく輝いています。
すばらしいひと月を!
まずは太陽のサインでお読みくださいね。次に、気になる方はご自身の月のサインで覗いてみてください。あなたは月に養われながら、太陽を表現しています。
おひつじ座 変わっていないように感じるのは、あなた自身が変化だから、あなたが変化のまっただ中だから、かもしれない。大丈夫!あなたはちゃんと見つめるべきを見つめ、歩みを進めているよ。 |
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おうし座 誰かに言われた気になるひと言を、あなたからあなたへのメッセージだと思って受け取ってみる。仮にこころがちょっとチクッとしたとしても。その先には、おおきなおおきな安心が待っているよ。 |
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ふたご座 新月の日、静寂の時間を持ってみる。言葉のないところ、思考のないところ、どんな音が聴こえますか?それがあなたの音。思考を思いっきり駆使している時でも、その音色の広がりををこころの片隅に感じてみる。音色は多層になって、ゆたかになって、あなたはもっと魅力的になるはず。 |
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かに座 守るのも、守られるのも、やわらかくて、あたたかくて、心地のよいもの。いろいろ考えなくていいの。その心地よさがあれば。そこに、あなたのやさしさがあって。それが、あなたのまわり人々をやさしくしている。うんうん。すばらしいではないですか。 |
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しし座 こころにちょっと心配事があるかもしれない。でも大丈夫。心配事もありながら、それも含めて、あなたがあなたらしくある。それがイコール、あなたの大切な人にとってのしあわせのはずだよ。 |
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おとめ座 わくわくに似たざわざわの音が聴こえてきたら。ノートにメモしてみて。やりたいことって、その時がきたら自然と湧いて来るもの。湧いて来たらすかさずキャッチするもの。でも、もしまだだったら、それもよし。今はゆっくり自分を整えてね(近々忙しくなるから、うふふ)。 |
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てんびん座 不要なものがあるのかもしれない。要らないものを手放す。物理的なことだけど、あなたの世界を変えると、あなたのこころが変わるんだな。こころと世界の不思議な関係。 |
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さそり座 磨かれて、しなやかに、うつくしくなってゆくあなたが見えます。うんうん。まぶしいね。すてき。涙が出ます。 |
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いて座 休むところ、動き出すところ。休むところではこころを養い、動き出すところは具体的に動く。ちいさな旅に出るのもよいかもしれない。旅という動き。旅先で養われるこころ。 |
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やぎ座 あの人の話し、聞いてみてね。あなたみたいにしっかりしてないって、その人は思っているのかもしれない。でも、あなただって、そう見えるほどいつも泰然自若としているわけではないよね。そう教えてあげるだけで、その人はほっとするのかもしれないよ。 |
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みずがめ座 ライバル、いるでしょうか?ライバルが気になるのかもしれないな。負けたくない相手こそ、敢えて褒めてみる。敢えて言葉にして、相手に伝えてみる。そうこうしているうちに、ライバルという存在のなぞなぞが解けちゃいそうですね。うふふ。 |
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うお座 あなたがとってもやさしいの、あなたにとっては当たり前で、下手するとちょっと面倒にさえ感じているのかもしれない。でもそれってホントはすごいこと。あなたのやさしさが、あの人の、まわりの人たちのこころに届いて、そこにふわって明かりが灯るのが見えるはずだよ。それはそのまま、あなたのよろこびだね。 |
5月18日、太陽とお月さまはおうし座で出会い、新月となります。
おうし座は、五感とつながるたおやかさに満ちた、大地のサイン。日々の暮らしの中、わたしたちはどうしても視覚ばかりに気を取られて過ごしがちです。おうし座の新月、視覚以外の感覚、聴くこと、味わうこと、嗅ぐこと、触れること、そうした感覚たちに、特に、普段仲良くする機会の少ない感覚に、たっぷりと時間を捧げてみてもよいかもしれません。忘れていることを思い出したり、新たな閃きを得るきっかけに出会うこともあるかもしれません。
新月の翌日、5月19日からはふたご座の水星が「逆行」を開始、6月11日までふたご座の世界を逆行します。ふたご座には火星が滞在しており、5月21日には太陽もふたご座入りします。逆行する水星はふたご座の支配星。そして、6月3日にはふたご座の太陽がいて座のお月さまを照らし満月が起こります。こうして、新月を終えると次第に、ふたご座の世界にスポットライトが移ってゆきます。
ふたごの世界は、思考、思考を用いたやり取り、言葉を通じてのそれ、コミュニケーション、情報伝達、転じて近距離の移動などを象徴します。思考というのは直線的なものであり、過去から未来へと時系列に順序を立てることで、わたしたちの世界をある種「分かりやすく」してくれる装置。この季節はその働きが曲線的になると捉えるとよいかもしれません。
直線的な思考は便利である一方で、「わたし」と「あなた」、「あれ」と「これ」、「過去」と「未来」と、世界を切り分けてゆきます。分けることは分かることでありながら、そうすることで取りこぼされてしまう「何か」が確実にあるはずです。言葉にできないこと、言葉という乗り物には運ばれなかった何か。その取りこぼされた何かによってわたしたちは乾き、その乾きゆえに、想いと言う名の水を欲するようになるのでしょう。
水星逆行の季節には、情報伝達や交通の混乱もあるかもしれません。そして同時に、かつて取りこぼされた「何か」をもう一度、言葉に乗せ直して、紙飛行機にして飛ばし直す機会、もしくはそれを受け取り直す機会に恵まれる人も少なくないだろうと思います。旅の途中で落とした「鍵」を取り戻すのです。言葉そのものは完璧ではなく、ゴールでもありませんが、それはそこにある扉を開ける鍵としての大切な役割を果たします。
6月15日には逆行の土星がさそり座へと舞い戻ります。2012年10月から2014年12月まで、土星はさそり座に滞在していました。この先、6月15日から9月17日までの3ヶ月間、土星はさそりの世界に再び滞在します。ここでも「忘れ物を取り戻す」というキーワードが浮かびます。
さそりは心象風景の深いところまであなたを連れて行ってくれます。そして、土星は削ぎ落とし、磨き上げることで、あなたの本当のうつくしさを表出させてくれます。さそりや土星の作用は、享楽的なハッピーさとはほど遠いものですが、そこには奥深い本物の愛情があります。心の奥底に大切な何かを忘れているのであれば、この期間、あなたはそれを取り戻す旅をゆるされます。逆行する水星は、この旅のはじまりの「きっかけ」を与えてくれるのかもしれません。
時間を少しだけ巻き戻して6月6日、この日には金星がしし座入りを果たし、同じく金星に同座する木星に出会おうと歩みを進めます。木星も金星も古来ベネフィック(吉星)と呼ばれ、自由に広がる感覚やきらきらと輝く感覚をもたらす星たちです。しし座は、個性を謳歌し、心ゆくまで表現するサイン。「私」という個性を持って生まれたこと、そのよろこびをすみずみに感じゆく時となるのでしょう。
ベネフィックのきらめきが広がる中で、また、それが広がるのは、わたしたちがきらめきを享受すると同時に、その一方で、「忘れ物を取りに帰る」旅に出るからなのでしょう。心の奥底の忘れ物、その鍵は、あなたが本来のあなたへ還るための扉、それを開ける鍵です。
「取りに戻る」というのもまた方便で、戻りながらあなたは、あなたの道をしっかりと先へ進んでいます。冒険の旅は、高速道路をまっすぐひた走るのとは違うのです。そこには効率もなければ、直線的な計算で成り立つ公式もありません。ひたすら自分を見つめ、自分の声を聴いて、進んでゆきます。そうしてさえいれば、戻ることも寄り道も、前進することであり、奥深く潜ることはまた、駆け上がることなのです。
すばらしいひと月となりますことを!
おひつじ座 怖がらずに言葉にしてみる。愛があればディテールは問題にならないよ。 |
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おうし座 5月18日、新月の閃きを大切にしてみる。そして、この先半年間の指針にしにしてみる。 |
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ふたご座 6月3日の満月、溢れる想いが出来事となるかも。混沌としているからこそ動かせることがあるよ。 |
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かに座 心のざわざわに心して耳を澄ませてみる。本当はやりたかったことが見えてくるかもしれない。 |
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しし座 星たちに背中を押される季節。感謝を忘れずに走る! |
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おとめ座 見方を変えてみる。オフィシャルな場面で今まで見えていなかった切り口が見えてくるかもしれない。 |
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てんびん座 何かを取り戻すために遠くへ?そんな旅も悪くないかも! |
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さそり座 あなたはもう強くなっているから大丈夫!最後の仕上げ、安心して取り組んでね。 |
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いて座 不思議なご縁、何らかの出会い。あなたのど真ん中、一番得意なことを思い出して。 |
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やぎ座 からだにアプローチしてみる。考えすぎなのは、からだが緊張しているせいかもしれないよ。 |
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みずがめ座 誰かとのめぐり会い。天真爛漫で無邪気な自分を思い出してみる。 |
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うお座 家族との思い出のアルバムを見返してみる。何かヒントが隠れているかもしれない。 |
4月19日、月と太陽はおひつじ座で出会い、新月を迎えます。
3月後半から4月前半に掛けて、おおきな星まわりが続きました。冥王星と天王星が90°の最後のピークを迎え、その鐘の音を包み込むかのように、日蝕と月蝕が魔法の時間を広げました。変容の流れはこの数年間ずっと続いていたものの、その流れを象徴的に示し、描く、このタイミングにあって、いつもより心身が揺れた方も少なくなかったのかもしれません。
辛かったこと、苦しかったこと、悲しかったこと。その時には理由が見えずに途方に暮れたことも、そのひとつひとつが「あたらしいわたし」への鍵だったはずです。たくさんの鍵穴のひとつひとつに、鍵をさしてまわし、また鍵をさしてまわし、そうやって、ようやくそのおおきな扉を開く時、開かれた扉の隙間から広がる光に、あなたという枠組みは静かに溶け、そこには、広く、深く、やわらかで、輪郭を必要としない、そんなあなたの姿が現れたのではないでしょうか。それは、まるで波打ち際のような輪郭なき輪郭を持つ、自由に、やわらかに、呼吸をし、絶えず変化し続けることを愛している、そんなあなたであるように見えます。
こうした変化を、時にあなたを心底驚かせるようなやり方で「けしかけて」きた天王星は、おひつじ座にあって、新月を迎える太陽と月は、静かにその旋律に耳を傾けています。「けしかけ」としてのそれではなく、まっすぐな思いとして、何を突き抜けようとしていたのかを聴く時、そのひねりは直線的な力となって、すでに進むべき先を見据えているあなたの背中を、ぐっと押すのでしょう。静けさの中に、変化の先の情熱を聴く新月であるはずです。
12月9日から逆行を続け、12月下旬、3月下旬という変容の節目をやわらかく見守っていたしし座の木星も、4月9日に順行に入っています。変容の最中、個としての枠組みは、きっと幾度となく取り払われたのだろうと思うのです。「これがわたし」「あれがわたし」と信じて疑わなかったことは、度々打ち砕かれ、けれど、失われた輪郭にあっても、本当のわたしが損なわれることはなかったはずです。そうした喪失からは、おおきなおおきな信頼が芽を出したはずです。
灰の中から不死鳥が蘇るように、個としてのわたしたちもまた、その灰の中から蘇るのです。個を超えたそれとしてのわたしを知りながら、だからこそ敢えて、個として、この「わたし」として、蘇ります。勢いを取り戻す木星は、しし座にあって、両手をいっぱいに広げ、あなたの個性を祝福しています。その祝福を受けながら、あなたは、ますますあなたになってゆきます。そして、あなたがますますあなたになることが、あなたがあなたという枠組みを超えたそれに触れる、ただひとつの道なのです。
太陽は、新月が明けてすぐ、4月20日におうし座に入宮します。闇月に聴こえてきた旋律は、肉体へと降り、あなたを通じて、あなたの世界になろうとします。太陽がおうし座に滞在するこのひと月、植物たちが緑を濃くし、花を咲かせ、生い茂るのを見つめるあなたの内側でも、それと同じことが起こっているはずです。
めぐる生命はカタチなきところから、やがてそのカタチを現します。そこに明確な区切りはありません。ゆらめく生命の光をしっかりと感じている時、しっかりと信じている時、それは満ちて、溢れて、外なる繁栄となって広がってゆきます。
満ちあふれる生命のその先に、生い茂る大地が広がります。
すばらしいひと月となりますことを。
Lots of love ∞
みずさわ すい
3月20日、日蝕の新月はうお座で起こります。日蝕にあって、新月の再生の力はより精巧に、くっきりと、その手を伸ばします。長い長い廊下の果てにある扉、その手前の、その最後の場所にあって、月と特別な出会いを果たす太陽は、21日の朝には、おおきなその扉を開き、光の世界へ、おひつじ座の世界へと自らを解き放ちます。
陽が昇る直前、その最も深い漆黒の暗闇に佇む時わたしたちは、まるで完全なる静寂に幾千もの鐘の音を聴くように、その暗闇に眩い光が燦々と輝いているのを知ります。暗闇に包まれながら光を知ること、その眩さを見いだしていること。つまり、その眩さそのものであること。そのことが、そこに生命という可能性を産み落とします。そしてそこに、生命の冒険が走り出すのです。
証拠があるから動くのではなく。自らが生命という証拠になってゆくこと。何も見えなくても、そこに信頼を置き、何も見えない世界におおきな一歩を踏み入れること。うお座からおひつじ座へとなだれ込んでゆく生命の流れには、そうした孤高な果敢さ、うつくしいまでの勇気が香っています。
春分という占星術のおおきなはじまりの地点、その直前に新月を迎えることで、わたしたちは、この地点、この狭間の地点にあるこうした物語のその本質を、いつになくしっかりと自分自身に刻むように感じられます。
夜から朝へ、冬から春へ、そうした狭間の地点の景色にわたしたちが胸を焦がすのは、その変化の落差に生命のほとばしりをいつになくはっきりと認めるからなのでしょう。生命はいつも同じだけ、同じようにめぐっていて、けれど時に、そうした胸を焦がすようなクライマックスを差し出してくれるのです。
昨年の12月24日にいて座入りした土星は、3月15日から逆行に入っており、この先、さそりの世界へと戻って8月2日まで逆行を続けます。今年は火のサインが強調されており、情緒の鍛錬と熟成から、それを養分として行動を起こす季節へと星の世界の彩りは変化を遂げました。土星の逆行は、今起こしている行動の、その背後にある動機、要素に、改めて意識を注ぐ機会をもたらすように見えます。
想いはやがて願いへと姿を変え、願いが輪郭を得て行動として表現されます。想いから願いへの変換点、昇華点。交差点のようなそのトラフィックでは、様々な想いが様々なベクトルで行き交っています。この季節、昇華の逆を辿るようなプロセスを経て、自身の願いを確認し直す人も少なくないのでしょう。それはより純度を高める作業。浮遊する想いたちの姿のひとつひとつを見定めることで、願いはより高い純度を得るのです。願いの純度が高まる時、その先にある行動は、よりくっきりと、はっきりと、あなたらしさを表現し、創造するものとなるはずです。
4月4日、てんびん座の満月は月蝕です。日蝕、そして月蝕。蝕と蝕に挟まれた期間は、古来より魔法の時間であると言われています。そしてこの時期、天王星と冥王星もまだ90°の角度の鋭さを保っています。
この4、5年の間、冥王星と天王星が示してきたおおきなおおきな変容の物語は、その全貌をわたしたちにちらりと垣間見せながら、その姿を少しずつ少しずつ解いてゆこうとしています。それは、海面に姿を現したあまりに巨大なクジラのその姿を、わたしたちがほんの一瞬目に留める、そんな光景と似ています。
クジラはまた、神秘の海の世界へと消えてゆきます。けれどそれは、遠い海の深い奥の世界で、雄大に、その動きを止めることなく、泳ぎ続けます。そして、その姿を垣間見たわたしたちは、畏怖の念というおおきな愛に出会ったのだろうと思うのです。どこまでも厳かで、壮大で、畏れ多く、やわらかで、おおきくて、やさしく、うつくしい。物語の様々な変節を経ながら出会ったこのシンプルな驚嘆が、わたしたちをこの先の世界へと連れて行ってくれます。
この季節の特別な新月は、春分は、そして、蝕と蝕の合間の魔法の時間は、この変遷の余韻というあらたなはじまりを、やさしくやさしく包んでいるように見えるのです。
すばらしいひと月となりますことを。
lots of blessings, lots of love ∞
2月19日は、前回に続きみずがめ座での新月。太陽とお月さまは今回、みずがめ座の出口、うお座の入り口のすぐ手前で出会います。そして、この日は旧暦のお正月。グレゴリオ暦の新年は1月1日にはじまりますが、二十四節気のはじまりは2月4日の立春、月の暦にそった旧暦のお正月は2月19日、そして占星術の新年にあたる春分は3月20日と、季節は少しずつその彩りを変えながら「あたらしい年」を迎え入れます。わたしたちも、少しずつあたらしい年をはじめていいんですね。
(※立春、旧正月、春分の日付は年によって異なります)
太陽は、この新月の数分後にうお座に入りますが、翌20日には火星、21日には金星がそれぞれおひつじ座に移動します。このひと月は、うお座の世界を生きながら、その先のおひつじ座の世界を感じる、そんな時間になりそうです。
折しも、季節は春に向かっていて、木々や花々はまだ芽吹いてはいないものの、すでにその内側にあたらしい季節のあたらしい生命の予感をたっぷりと孕んでいます。あたらしい生命は必ずそこにあって、けれど、とある一線を超えるまでその姿は明らかにされません。うお座とおひつじ座の境にあるラインは、そんな神秘の一線です。そこにはカーテンが掛けられていて、それは時折ひらひらと揺れながら、けれど「こちら」と「あちら」の世界を確実に分けています。
うお座の世界は、例えるならば、蝶が孵化する前、サナギの中でいったん溶けてドロドロになるような、そんな世界です。さまざまな境界線は一度取り払われ、全体という養分として、そこにあります。後々わたしたちが「あれ」「これ」「わたし」「あなた」と名づけることになるさまざまも、この世界ではひとつに溶け合っています。そのことは、「個」として生きるわたしたちの視点からはヴェールに包まれ隠されていますが、その予感はありとあらゆるところに香っています。その香しさを辿ること。そこにはいつでも至福のよろこびがあるはずです。
そうしたすべてが溶け合った世界から、特定の視点として、特定の「個」として、意識のピントを絞り、生れ出た先が、おひつじ座の世界です。そこは「個というわたし」の物語のスタートライン。香しい予感を懐かしさとして抱きながら、「個としてのわたし」たちは、どきどきわくわくの冒険へと歩みを進めます。
金星と火星はおひつじ座にあって、その冒険の最初の一歩、その衝動、躍動、そうしたことに触れています。そこに情熱と煌めきを見つけながら、同時にわたしたちはその一歩手前、ヴェールの手前の世界を見つめています。
すべてを溶け合わせた世界、「わたし」と「あなた」を分けない世界、そうした視線で世界を見つめる時、わたしたちは何かをぎゅっと握りしめているその両手を開くことを求められます。そして、怖れずにそれをする時、その宙を自由に泳ぎ、そこにたゆたう色彩に自由に出会うことを許されます。そこで発見することを「個としてのわたし」へと持ち帰る。それこそが「宝物」であるはずです。
3月上旬には、おひつじ座の天王星としし座の木星が調和の角度を取り、金星と火星が順々に天王星に出会います。天王星がおひつじ座に入宮したのは2011年3月のこと。以来、天王星はやぎ座の冥王星とエッジーな角度を取りながら、わたしたちの有り様の根本を変容させてきました。このエッジーな角度は2012年以来、寄せては返す波の様に年に2度ほどそのピークを描いてきましたが、3月17日にクライマックスを迎え、この先、ゆっくりと、じっくりと、その緊張の角度を解いてゆきます。
エッジーな角度がある種の緊張をもたらすのもまた事実ではありますが、それは、必要な変化を促すための警笛であるとも言えます。「予測不可能」で「自分のコントロールを超えた」変化をわたしたちは嫌う傾向にありますが、それは「個であるわたし」たち、目隠しをされたその「小さなわたし」たちの「怖いよ!」という声に他ならないのだろうと思うのです。つまり、変化そのものが「悪い」のではないはずです。
大き過ぎるそれは、いつでもわたしたちを包み愛しているのですが、小さ過ぎるわたしたちは時に、その事実を見過ごしてしまいます。この季節、天王星と出会いつながる、木星、火星、金星は、変容の物語の最後にあって、これまで経てきた変化の本質の、そのより具体的な意味合いを差し出してくれるように見えます。具体的な出来事が見えてくることで、これまで不確かだった点は、他の点と結ばれて線を描き、そしてそこに面を描き、物語を記すのでしょう。
物語はすでにそこにあるのではなく、それを毎瞬毎瞬描き出すのは、あくまでもわたしたち自身です。そして、そうやって描き、描かれた物語を見つめることが、わたしたちを物語以前の世界と結んでゆくのです。
このひと月、みなさんにたくさんの祝福が降り注ぎますことを。
1月20日、新月はみずがめ座の扉を開いたすぐそこ、あたらしい空気が満ちるその場所で起こります。
この時、みずがめ座にはパーソナルな天体である水星と金星も同座しています。「みずがめ」は、既成の価値観に囚われない斬新さ、その息吹を惜しみなくもたらすサイン。また、ローカルなしがらみに縛られず、ひらめきを共有できる人たちとのつながりを縦横無尽に広げてゆくサインでもあります。新鮮で、斬新。そんな新しいアイディアを起動させ、そこに仲間たちの輪を描いてゆく人も多いのでしょう。あなたも、そのひとりであるのかもしれません。
昨年の12月は、星のめぐりの変化がとても大きいひと月でした。冥王星と天王星のスクエア、土星のいて座への移動と大きな星の節目を乗り越えながら、12月全般、特に冬至の新月の前後には変容の流れを強く感じていた人が多かったようです。体調が揺れた人もいたと思います。
1月5日の満月までをひとつの区切りとして、わたしたちはまたひとつ、「大きな変容の扉」をくぐり抜けました。変化、特にこうした大きな変容は、否応無しにわたしたちを不安にさせるものです。けれど、だからといってそれ自体が「悪いこと」というわけでは、きっとないのだろうと思うのです。
「それがいかに望んだものであったとしても、人間は変化を怖れる生き物である」。この事実を、それとして受け入れてみる。そうすると、不思議と怖れは、そこにそれとしてあり続けながらも、やがて勇気としての表情を見せ始めるのです。
受け入れることは、それをそれとして取り入れることと似ていて、ゆえにわたしたちは、受け入れることを拒もうとします。でも。受け入れることは、それにそれとして気づき、それとして認めることなのです。「ここにいるよ!」という声が聞き届けられなければ、わたしたちは叫び続けます。それと同じことなのです。「怖いよ!」という声は、聞き届けられ、受け入れられれば、それは叫びではなくなり、音となり、その音は、やがて力となります。
目に見えない変容は、次第に具体的な変化として、わたしたちの目に見える世界に現れ出ます。世界は、わたしたちの眼差しに触れられることで、ひとつ、またひとつ目を覚ます、眠りの森です。ゆえに、わたしたちの眼差しが変わる時、こころの奥底の景色もまた瞬く間にその色合いを変え、そしてそれが、そこに広がる「目に見える世界」の彩りをも変えてゆくのです。
今わたしたちは、変容を許された時間を生きています。この時間は、今年の3月を最後の頂点に、その鮮やかさを弱めてゆきます。宇宙は呼吸をしながら変わり続けます。それはいつであっても魔法なのです。そして、その魔法の彩りは、永遠に変わり続けます。
1月22日から2月11日の間には、みずがめ座の水星が逆行します。逆行した水星が順行に転じるタイミングでたどり着くのは、1月20日に新月が起こるその場所、みずがめ座の扉のすぐそばです。新月が静けさの光をもたらすこの場所には、何らかの忘れ物が、宝物として隠されているようなのです。
その合間、2月4日の満月、しし座の月は木星と出会います。7月16日にしし座に入った木星は、その滞在期間の約半分を終えたところ。この時期、木星もまた逆行を続けています。
新しいこと、まだ見ぬこと。未知なる予感を起動させる時、わたしたちは前を見据えながら、どこかに「過去」という名前の音を聴いています。時間は直線を描いてはいません。それは、あらゆる時点を波紋の中心としながら、うつくしい輪を描いています。過去を感じることもまた、「今、ここ」にあります。
ここで思い返す過去、触れ直す過去には、懐かしくも新しい予感が秘められているようです。いつの日か閃いたこと。いつの日かの情熱。その新鮮さはひとつも失われることなく、その時のままここにあって、けれど、その懐かしさが今、わたしたちに安心と許可をもたらすはずです。あなたはそこに、何らかの「ゴーサイン」を見つけるのかもしれません。
遠回りをしたり、来た道を戻ったり。効率が重視される世の中で、わたしたちはその無駄を嫌悪します。けれど、そうやって蛇行することでしか出会うことのできない懐かしさがそこにはあって、その懐かしさをたぐり寄せるようにして、自分へと還るその道は、そこに虹色の道筋を浮かび上がらせるのだろう、わたしはそんな風に思うのです。
12月22日、冬至の日に新月を迎えます。古来「朔旦冬至」と呼ばれる、冬至と新月という暦上のふたつの節目が重なる珍しい日です。
太陽がやぎ座に入る日が冬至の日。やぎ座の入り口はホロスコープの天頂、時計で言うと12時のところにあります。おひつじ座の入り口(9時)で春分を迎えスタートする旅は、ホロスコープ上を反時計回り進んでゆきます。かに座の入り口(6時)で夏至を迎え、てんびん座の入り口(3時)で秋分を迎え、そして天頂にたどり着き、冬至を迎えます。アストロロジカルイヤーは12月31日には終わりません。この先、やぎ座、みずがめ座、うお座と旅を続け、春分の日にニューイヤーを迎えます。占星術の1年は春の訪れとともにはじまります。
やぎ座でわたしたちは、わたしたち自身をカタチにしてゆきます。やぎ座は「地のサイン」です。地のサインの旅は、おうし座からおとめ座へとめぐり、やぎ座に到着します。自分自身の五感に忠実であること、そのゆたかさの上で、わたしたちは他者を意識しはじめます。自分の感覚を見つめながら、他者という存在に出会う。確固としてここにあった軸を、あえてあちら側に渡してみることで、わたしたちは自分自身の感覚の幅を広げ、それをより柔らかなものにし、振れ幅を感じながら、軸の中心点を再確認します。
そうした旅路を経て、やぎ座でわたしたちは、そのまん中にあって、どっしりと、たましいの願いをカタチにしてゆくのだろうと思うのです。その願いは、「役目」や「使命」といったカタチで花開くはずです。
「役目」や「使命」というと、大それたことを考えなくてはいけないように思う人もいるのかもしれません。ちょうど読んでいたご本に、「働く」は「傍(はた)楽(らく)」つまり、自分のまわりを楽にすることだと書いてありました。本質は、きっとそんなシンプルなことなのだろうと思うのです。自分がすることが、まわりの誰かを少しでもいいから楽にする。スケール感や、対価や、評価や、そうした尾ひれはひれは、それそのものから派生するようでありながら、実はまったくの別もので、わたしたちを本質から遠ざけてしまうのかもしれません。だから、いったん、そのシンプルな地点に立ってみる。そうすると、実はすでに「役目」を十分に果たしている自分も見えてきますし、本来の自分が起こすべき動きもまた、自ずと見えてくるのだろうと思います。
やぎ座の山羊の下半身は、ぐるりと輪を描く魚です。象徴の世界では、この魚と蛇を同等に捉えることができ、その蛇がそのそのままホロスコープを縦断して、かに座の世界へ降りていると考えることもできます。かに座は、家族や先祖など肉体的なヘリテージ(遺産)を象徴します。こうした肉体的に受け継いだ要素を底から掬い上げ、浄化しながら吸い上げて、たましいの願いと掛け合わせることで、やぎ座の花は開きます。
増していた闇は冬至のタイミングで反転し、この先、一日また一日、光が少しずつ戻ってきます。冬至はゆえに、昔から「太陽の再生の日」として祝われてきました。そうした祭事がクリスマスの原型であるとも言われます。そして新月もまた、光を消しゆく月が闇を極め、光へと転じる時です。朔旦冬至は、太陽と月が時を同じくして再生するタイミング。「本来のわたしの本来の使命」、その想い、感覚に、あらたに出会う時であるのかもしれません。本当の自分にまたひとつ還ってゆくのですね。
そして。
24日にはいよいよ、土星がいて座に入宮します。土星は2012年10月6日から2年3ヶ月の間、さそり座に滞在していました。土星を「課題と試練を与える星」として怖れる人も少なくないのかもしれませんが、わたしはそうは捉えていません。事実、土星の、鍛え、磨き、削ぎ落とし、必要なものだけを残して再構築する力なくしては、わたしたちはずっと自分のものにしておきたい「本物」と出会うことはないのです。
さそりの世界に土星が滞在していたことで、ここ2年と少しの間、自分自身の内側、そのさらに奥の深くと対峙していた人も多いのだろうと思います。内側にはさまざまな魔物が棲んでいますが、ひとつひとつに出会ってゆくことが、それらを本来の姿へと還してゆきます。そうしたプロセスを経て、今、これまで以上に自分の内側を信頼している人がきっとたくさんいるはずです。
内側の世界はそのまま、外側の世界へと反転してゆきます。この先、土星が滞在するいて座の世界で、わたしたちはどこまでも自由に、意識を広げてゆきます。意識が広がった分、それはそのまま、あなたの世界となります。物理的な旅に出ることも、書物などを通じて旅をすることも、そのどちらもがいて座の世界のテーマです。具体的な方法はどうであれ、異質なものに出会うことを怖れず、それを内包できることを知りながら、わたしたちは冒険の旅に出て、本物の自由に出会います。
さそりの世界で培った内側への確固たる信頼。それが、外の世界へ翼を広げ、本物の自由に出会う、今はじまりつつあるそんな冒険の旅の原動力になっていることを、この先、あなたはじっくりと実感してゆくのでしょう。Bon Voyage ! よい旅を!
次回は、みずがめ座の新月にお会いしましょう。
11月22日、太陽がいて座に入ってすぐにお月さまが追いついて、新月となります。いて座の性質がみずみずしく広がる新月となりそう。
「水のサインから火のサインへ」。これは2014年後半の全体を彩るテーマですが、11月後半から12月いっぱいは、テーマが特に色彩を強めるタイミング。11月17日には、愛や美など「うっとり」するものを象徴する金星がいて座に入りました。そして、この新月には太陽、28日には水星と、お星さまたちが続々といて座入りします。
12月24日には、いよいよ土星がいて座へ移動。その頃には前述のお星さまたちは次のサイン(=やぎ座)へと抜けていますが、土星の引っ越しを前に、若くフットワークの軽い者たちが先に様子を見に出かけ、どっしりと熟した者を迎え入れる、そんな物語としても読み取れます(土星のいて座入りについては、次回の新月に詳しく書きますね)。
いて座の手前にはさそり座の世界が深く深く広がっています。「他者との融合」は、さそりの世界をひも解くことばのひとつ。溶け合わせ、内包してゆく、そんなイメージです。ひとり深くにあって静寂となる時、まわりにあった「壁」は溶け出します。「あなた」と「わたし」もまた、その意味から解かれて、名前を失ってゆきます。
そこに付与されていた意味や名前から自由になる時、その関係性において起こっていた(かもしれない)葛藤や摩擦は、ただそれとして、あなたの手のひらに乗せられます。そして、それと呼応するあなた自身のこころの模様を、そこ映し出すはずです。そうしたそれを見つめながら、「他者」はやがて「わたし」として内包されてゆきます。そして、孤高はその果てに反転し、愛の源泉としての姿を現します。
深さは、そのまま、高さです。さそりの世界で潜ったその深さが、いての世界でたどり着く高さとなってゆきます。怖れずに向き合った分だけ、拒まずに認め、排除せず受け入れた分だけ、それはわたしたちの広さとなって、奥行きとなって、高さとなって、いての世界で知恵へと昇華されます。
いて座は、知恵と楽観と冒険心に満ちながら、あなたを解放し、あなたの世界をどこまでもどこまでも広げてゆきます。この季節、物理的な移動を伴っても伴わなくても、何らかの「冒険の旅」に出る人も多いはずです。異質な何かと出会い、自分の世界をさらに広げるために、いて座にあってわたしたちは未知なる世界を楽観的に求めます。
12月15日には、やぎ座の冥王星とおひつじ座の天王星が90°のピークを迎えます。これは4月下旬、天空にグランドグロス(大十字)が描かれて以来のこと。2012年にはじまって2015年の3月まで続くおおきな変容の物語を象徴する星のめぐりです。もう少しさかのぼると、2011年、もしくは2008年の頃からこの物語がはじまっている場合もあるかもしれません。
あなたの中で「当たり前の大前提」となっていた「何か」は、荒削りな、ゆえにとても純粋な、あなた自身の「たましいのほとばしり」と出会っています。じわじわと、じっくりと、確実に、時に驚きを伴いながら(!)、あなたの「成分」は変容を遂げているのでしょう。
今回は、4月下旬を受けての調整のタイミング。すでにわかっていること、すでに知っていることが、あなたの前に再び現れ、場合によっては何かを動かすのかもしれません。人は「変化したい」と言いながらも、変化を怖れる生き物。そうと分かっていればいるほど、この季節、起こる変化のメッセージをシンプルに受け入れることができるはずです。
次回は、冬至の新月にお会いしましょう。
さそり座の新月からスタートするひと月。
今回の新月は部分日食です。新月では太陽と月が重なるのですが、常にその軌道がぴたりと合うわけではありません。そして、ふたつの軌道がぴたりと重なると日食が起こります。太陽と地球の間に月が入って太陽を(今回は部分的に)覆い隠すのですね。太陽が顕在意識、月が潜在意識を象徴するとして、それらが出会う新月は、意識的に潜在意識に触れることをしやすい時であると言えます。日食は精度の高い新月ですので、その意味合いはより色濃くなります。
この日食の新月、太陽とお月さまはさらに、さそり座に入ったばかりの金星をふたりの世界へと迎え入れます。普段、新月にはふたりきりの太陽とお月さまですが、今回は金星も交えた3人の出会い。「愛」や「美」を象徴するきらきらの金星を迎え、「2」が「3」に。「3」は、相対と安定の間にあって、特別な「何か」を引き起こす数です。いつもとは違う魔法が起こりそうですね。
9月末から10月中頃にかけては、「火」のサインが強調されるお星さまのめぐりでした。「おひつじ」「しし」「いて」の3つが火のサイン。暗闇に火を灯すことで、わたしたちは生命の輝きを放つことをはじめ、やがてそれを力強く高め、そしてやわらかく広げてゆきます。わたしたち個々においてそれらは「情熱」「意思」「知恵」などとして表現されるのでしょうが、あらたな、もしくはあらためての情熱が萌芽するのを感じている方も多いのではないでしょうか?
この先も、天王星と木星は引き続きおひつじ座としし座にあって火の要素を強調してゆきますが、火星はやぎ座に移り、全体の彩りはまた変化してゆきます。変わり続けることは宇宙の大前提です。
火のエネルギーが小休止するのと歩みをあわせるかのように、この季節はさそり座の新月にはじまり、新月の日には金星、11月9日には逆行を経て舞い戻る水星と、パーソナルなお星さまたちがさそり座に集まります。おおきなめぐりをする土星は、2012年10月6日以来さそり座に滞在を続けていますが、12月24日にいよいよ(!)さそり座を後にし、いて座へと抜けます(来年またさそり座に舞い戻りますが、それはまたの機会に)。
土星の世界は、この約2年間のグランドフィナーレへと入ってゆくタイミング。パーソナルなお星さまたちが駆けつけ、そこで新月を迎えることで、この2年間の課題と学びに必然たるメッセージを認め、それを大切な宝物として自分へと溶け込ませようとする働きが見えてきます。
「さそり」の世界は、「他者」との融合の世界です。もちろんそれを物理的、精神的にとらえてもよいですし、そこにもさそりのエッセンスはたっぷりとあるのですが、ここではそこから一歩踏み込んでみます。
他者が「鏡の世界」の住人であるのならば、それは、わたしたち自身の心象風景の投影です。そこには光も影もあります。光に影を落とすのが人間だからです。「鏡の世界」に他者として浮かび上がっていることを、光も影も分け隔てなく、「わたし」が「わたし」と思っている「わたし」と溶け合わせてゆく。今まで「これがわたし」と思っていたちいさなアイデンティティたちは、そこで消えてゆくかもしれません。「死」と「再生」もまた、さそり座が象徴する大切な要素です。でも、その消滅、その灰から、もっともっとおおきな「わたし」が、もっとおおきな「愛」が再生します。
他者との融合による「ちいさな死」、「ちいさな死」を経ての「再生」。その先には、もっともっとおおきくて広い景色がひらけています。それはそのまま、どこまでも広がってゆく、いて座の世界の景色となってゆくのです。
秋分の翌日のてんびん座の新月からはじまるひと月。土星は引き続き水のサインであるさそり座にありますが、木星に加えて火星も、それぞれ火のサインであるしし座といて座に移っています。2013年の中頃から今年の7月頃までは、水のサインに比重が置かれた時期が続いていました。水は感情。特にさそり座には土星があって、自分自身の感情に真摯に向き合う季節が続いている人が多かったのだろうと思います。
「水」そのものの性質を思うとわかりやすいのですが、水は流れてこそうつくしいもの。留まると、滞り、やがて淀んでゆきます。わたしたちのからだの大部分は水分です。そうした水分が循環し続けてこそ、わたしたちの生命もまたうつくしいものであり続けることができます。そして、こころとからだは同じです。こころの水もまた、流れ続けることで、わたしたちをうつくしくしてくれます。
忘れられないこと、ゆるせないこと、受け入れ難いこと。ひとつの出来事を前に逡巡してしまうのがわたしたち。ですが、「外」に映し出されるのは、わたしたち自身の内なる心象風景です。そう潔くとらえること。それは、サソリの針のように鋭く、わたしたちのこころを突き刺しますが、だからこそ、そこには「突き抜ける」可能性がたっぷりと宿っているのです。そうすることで、水は流れ道を見つけ出します。
水の世界の先には、火の世界がひらけています。羊水から抜け出て生命をあらわすように、生きてゆく中では、そうした「生まれ出る」瞬間が幾度となく訪れます。そうした「生れ出る」瞬間が、波のように押し寄せ、グラデーションを色濃くしてゆくのが、2014年の後半です。
10月5日頃をピークに、9月下旬から10月中旬にかけて、おひつじ座の天王星、しし座の木星に、いて座の火星が加わり、火のグランドトラインがカタチづくられます。そして、この火のエネルギーは、10月8日の満月の頃をピークに、てんびん座の太陽へと抜け、注がれてゆきます。ここにはてんびん座の金星も寄り添っています。てんびん座は「関係性」をくっきりとあらわす世界。わたしたちの内で「生れ出る」エネルギーが、他者との関係性に注がれ、そのつながりに息吹を与えてゆくはずです。
10月8日の満月は皆既月食、続く10月24日の新月は部分日食。食と食の合間は古来より「マジカルタイム」とされています。不思議なことが起こりやすい時です。
そして、10月5日から25日までは水星が逆行します。水星逆行期間は、近視眼的に見ると、情報伝達や近距離移動などに混乱が生じやすいと言うことができますが、これは、ちょっとしたリズムチェンジのようにとらえておくとよいかもしれません。ここからもう少し視野を広げて見てみると、「現在・過去・未来」という時間の枠組みがゆるやかになる時であるとも言えます。時間も、情報も、結局は思考の産物。思考は直線的に、過去から未来へと物事をたどろうとしますが、そこに曲線が描かれると考えてみるとよいかもしれません。「過去」は確固として存在しているように思えるかもしれませんが、それもまた、今ここにあるわたしたちの思考の一部です。
食と食の合間のマジカルタイム。そして、時間の枠組みがゆるやかになる水星逆行期間。そこに描かれる火のグランドトライン(てんびん座の太陽も加えると「カイト」というアスペクトになります)。
あたらしく生まれた情熱たちは、不思議な力で「過去」も「未来」も織り交ぜながら、「今」にまばゆい「つながり」をもたらしてくれるのかもしれません。
writer / astrologer
太陽いて×月さそり。旅と映画と音楽でいっぱいの大学時代を経て、海の向こうからやって来たインディー映画とロックミュージックの宣伝に奔走。20代の終わりに退職し、上海へ。欧米とも日本とも違う文化圏、大陸の大胆さと発展の混沌に身を置き、数年を過ごす。上海滞在終盤の2009年、現地で皆既日食を迎え、宇宙の一部としてあることを改めて体感。この頃の体験に背中を押され、占星術にまつわる文章をつづること、「宇宙とわたし」に関する書籍を翻訳することをはじめる。
web http://suimizusawa.petit.cc
twitter ttps://twitter.com/suimizusawa
みずさわすい翻訳
プレゼンス―第1巻 安らぎと幸福の技術
ナチュラルスピリット刊
¥2,205(税込)