五感でみつける 目で感じる
うつくしき庭
「草を見る心は己自身を見る心である 木を識る心は己自身を識る心である」
とは、北原白秋が遺したことば。
そんな名言がふっと脳裏を横切るような美しい庭を先月訪れた。
10月の最後の週末。
その庭には、柿の木がコテージの前に何本も元気よく実を鳴らし、玄関先までのアプローチまで、エキナセア、ローゼル、ラムズイヤー、リンドウ、ガーデンマム等々、季節の愛らしい草花たちが秋のはじまりを高らかに歌っていた。
なかでも、芙蓉科のローゼルは夕刻は閉じていたのに、早朝朝日を浴びるとその可憐な花弁が太陽に向かって見事なまでに開花、自然界の完璧なショーに息をのんだ。
(実際、午前中の数時間しか咲かないのだそう。ハイビスカスの仲間で、食用にもなるという興味がつきないお花!もっと知りたい・・・)
手をかけすぎていないようにナチュラルにーでも日々丁寧に植物の手入れされている、と一目でみてとれるその庭は、オーナーご夫婦の自然への敬意や愛情をぞんぶんに反映している。
生活の延長線上にこんなすてきな庭がある、ってどんな感じだろう。
翌朝、ここで人生初のバードウォッチングをしてみたら、オレンジ色のお腹をしたちいさな野鳥(図鑑を調べて一番似ていたジョウビタキと信じているワタクシ)が柿の木のてっぺんで旋回している小さな虫をついばんでいる様子を目撃。
鳥は柿の実より虫のほうが好みってこと???そうなの???そもそも、あんな空中まで小さな虫が飛べるものなの???(はじめての世界に脳内大混乱)
人生、長く歳月を重ねてきても、未知との遭遇的な興味深い出来事が日常に潜んでいるなんて。ふと地面に目をやるとミミズもこんにちは!
そうだよね。すべてはこうして有機的につながっている。
どこにいても同じように刻むはずの時の流れが、この場所ではまるで悠久の流れのごとくゆったりと穏やかで、気づけば冒頭の北原白秋モード。
思わず自己対話にさえ突入してしまうくらいのそんな満ち足りた五感trip、
来春再び訪れるまで、野鳥と植物博士ーの一歩手前くらいを目指したい!
2024年11月16日 ●
Miki
English Lab/ doers(ドアーズ) 主宰。完璧さよりも小さな一歩を応援するパーソナルイングリッシュコーチ。文章やコーチングレッスンをとおして、心を整えきらめく日々を提供できたらと探求する日々
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