五感でみつける 目で感じる
静けさの中へ
先日の日曜日。
少し遠出し、とある森へ。
その日は初夏のような陽射し。
季節柄なのか、地方の休日の風情といったら街なかは静まり返り、
アウトドアエリアは家族連れや県外からの旅行者で大にぎわい。
森の手前は観光スポット。去年のあのまばらな人影が噓みたいに
活気づいて、ますます気温が上昇しそう。
今日はトレッキングdayと決めていたので
日曜らしい人混みは通り過ぎ、静けさの中へ身を投じぐんぐん歩く。
いや、厳密にいうと、“静か”は誤り。
森にはさまざまな“音”があるから。
鳥たちのさえずり。
木の葉のざわめき。
足元の葉っぱのかすれ。
なにかどこかー目的を持って歩くわけでもなく
ただ光のほうへ。
風の揺れるほうへ。
TO DOリストに追われる日常を繰り返すからこそ
沁みわたるこの静かな感覚。
この独特の気配を見事言語化しているなあ!と
何かで読んで心に残り、メモしている言葉がある。
「森の静けさは、森ではなく、森に入ったときのわたしたちの中に存在する。」
その日の午後の体験ほど、このことばがしっくり来ることもなかった。
拡大していた意識がほんの少し弱まって、目の前のことだけにフォーカスされて
「今の自分に大切なものは何なのか?」
独り言とも、森との対話ともつかぬ自問。
そうした気持ちの変化が内側で立ち上っているとも知らず、
森はただいつものようにやさしく来訪者を包み込む。
雨の季節、ますます木々は成長し、深い緑の匂いを放ちながら
わたしたちの”つまり”を柔らかにほぐし、五感や意識を再構築してくれるだろう。
森は、いいな。
2023年6月4日 ●
Miki
English Lab/ doers(ドアーズ) 主宰。完璧さよりも小さな一歩を応援するパーソナルイングリッシュコーチ。文章やコーチングレッスンをとおして、心を整えきらめく日々を提供できたらと探求する日々
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