五感でみつける 目で感じる
うすむらさき色に呼ばれる春
「光を見るためには目があり、音を聞くためには耳があるのとおなじに、人間には時間を感じとるために心というものがある。
そして、もしその心が時間を感じとらないようなときには、その時間はないもおなじだ。」
(ミヒャエル・エンデ 『モモ』より一部抜粋)
久しぶりの遠出を楽しんだり、仲間と集ったりーそれぞれの時間の過ごし方があるのだろうな、と思いを馳せるゴールデンウィーク。
―とはいえ、出かけるばかりが休息ではないし、紹介したエンデの言葉にあるように、祝日でなくとも日頃から心に余白を持っていられることがなにより精神衛生上によい作用を及ぼすというもの。
ここでわたしなりのルーティンをご紹介すると、毎日3つでいいから自分なりの“よき”瞬間を持つといいと思っていて、そのひとつが瞑想時間。
といっても独自の方法なのだけれど、自分なりのリズムで儀式的に行うことで今のところ定着してきた次第。
できれば目覚めてすぐ。窓を開け、朝の空気を取り込む。ベランダのみどりたちの生長具合を観察。
じゅうたんにお気に入りのクッションを置く。
もし時間帯が朝でない場合は友人がプロデュースした「letter」というお香を焚いたり、アロマキャンドルを灯したりすることもある。
あとは気持ちが落ち着くまで深呼吸して、目を閉じる。
瞑想に関してはいくつかメソッドがありそうだけれど、あくまで自分のセンサーに応じてのオリジナル。
続けられることが大事かな、とあまり方法にはとらわれず、自分との静かな時間があることに重きを置く感じ。
なにより、ひとつひとつの行動を丁寧に行っている感覚がとても好き。
このルーティンはわたしとしては朝がベストだけれど、季節によっては就寝前がよい場合もあるので、このあたりもあまり気にせずマイペース。
大事なのは、時間に追われるのでなく能動的に自分が時間を大切に切り取っている、という意識。子ども時代から憧れているモモみたいに。
おそらくこの儀式のおかげで、前日から無意識のうちに持ち越している不安ごとも、できれば後回しにしたい(涙)と逃げたい煩雑なことも、まあなるようになるかなあ~と思えたり、揺らぐ自分を引き上げてくれるmyセラピー時間だったりするのです。
静かな心の中の時間を過ごしたら、現実の日々に戻り、やるべきことをやる。(相変わらず後回ししたい病には一日数回はかられるのですが・・・)
3つのよきこと、と書いたけれど、特別なことではなくて、わたしだったら毎日必ず1時間は歩くので、その道すがら定点的に観察している木の具合や緑の隙間から見える光を確認するとかそういう意識の向け方ができれば満足。
とにかくモモのような目と耳になりきる。
時間に連れてかれるのではなく自分でうまく作り出す。
そんな感覚を持ち続けられたらな、と。
なにはともあれーよい満月時間を。
2023年5月6日 ●
Miki
English Lab/ doers(ドアーズ) 主宰。完璧さよりも小さな一歩を応援するパーソナルイングリッシュコーチ。文章やコーチングレッスンをとおして、心を整えきらめく日々を提供できたらと探求する日々
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