五感でみつける 目で感じる
Three good things
毎日3つ。
3つだけでいいから美しい瞬間をとらえて写真や文字に残してゆけたら。
年明けにそんなことをぼんやり思い、“2022 diary”の最初のページに自分への約束のようなゆるい誓いのような感覚で書いたのだったなあ、と今さら思い出す秋の終わり。
特別なことでなくていい。静かな季節のうつろいや、気持ちの変化。そうしたささやかなものを日々拾い集めよう。
そう思っていたのに、いざ記録となると1週間も続けられていない自分の不甲斐なさにあきれながらも、ときおり思い出したように手帳にメモしているささやかな記憶の痕跡をゆっくりたどる。
9月某日
「夏が公園に残されている。少しほつれた虫取り網。」
たしか4歳くらいの男の子と母親の姿を夏の間よくここで見かけたのだったな。ヨークシャテリアを伴って。芝生の上で追いかけっこをしていた。
残暑も忘れるくらいpeacefulな光景だったことを頭の中で何度も再生。
10月某日。
「虹ケ浜。シャボン玉おじさん現る。」
夕暮れ時、シャボン玉が空中から途切れなく無限にゆらゆらと風に揺られ視界に飛び込む。突如現れるという噂のシャボン玉おじさんに遭遇!
真夏とは違う秋の光を集めて海辺に舞う透きとおったまあるいシャボン。
目を奪われ、しばし佇む。なぜか裸足で水の温度を感じたくなり、波打ち際に。海としゃぼんと夕焼け。最高のギフト。
10月最終土曜日。
「防波堤。猫。」
大好きな海岸で夕焼けが一番美しい時間に間に合う。防波堤を歩いているとブロックの隙間から突然一匹の猫。ブロックから猫?!
釣り人が置いているクーラーボックスの周りをパトロールし始め、その姿を見ていたわたしに気づきバツ悪そうに走り去る。
防波堤のブロックの隙間がおうちなのか?という疑問は未だ解決できず。
***
こうしてみると、自分が目を奪われるもの、記憶の中にとどまっているものーの正体がゆっくり立ち上り、時間が経過しても色あせず満たされる不思議。
ドラマティックさとは無縁だけれど、どこか安寧でうつくしい瞬間が脳裏に息づいていれば、つらい出来事も自然と上書きできてしまうような・・・。
今年もまだあと二か月。
自分なりの3つのgood thingsを記憶に記録に重ねてゆきたい。
2022年11月8日 ●
Miki
English Lab/ doers(ドアーズ) 主宰。完璧さよりも小さな一歩を応援するパーソナルイングリッシュコーチ。文章やコーチングレッスンをとおして、心を整えきらめく日々を提供できたらと探求する日々
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