五感でみつける 目で感じる

自分と世界をつなぐもの

ある日、レッスン初めましての方(著者はオンラインで英語のコミュニケーションコーチングもしています)と、互いの自己紹介をひとおり終えた際、ふいにその方から「自分と世界をつなぐものが英語のような気がしているんです。」と言われ、一瞬「???」。

少し掘り下げて伺ってみると、子ども時代は転校続きで居場所が定まらず、どこにいてもなにか根無し草のような心もとない感覚がずっと付きまとっていた、とのこと。だからといってその土地土地で暮らした日々は決して嫌な想い出ばかりではなくむしろ心地いい時代さえあったし、人間関係だって穏やかなことも多かった。ただここは本当に自分の居場所なのだろうか?という疑念がいつもうっすら忍び寄り、その想いを言語化もできなくて長い間このモヤモヤが消えずにいたんです。とつまびらかにお話下さいました。

ところが、ある時国際交流のイベントでその国の珍しい料理が味わえるということで、英語もままならないまま興味本位で行ってみると、ジェスチャーでしかやり取りできなかったのに初対面の外国人が温かくもてなしてくれる中、終始笑っている自分がいて、心の底から楽しい時間だったそう。だから英語を使ってもっと自由にコミュニケーションできたらどんなにすてきだろう。と。

曰く、それまで自分には所在無さや物足りなさばかりがふつふつ湧いていたけれど、実は環境のせいではなくて、こういうふうに思いっきり笑える自分に出会いたかったんだな、こんなふうに新しい一歩を踏み出す感覚にずっとあこがれていたんだなあとわかったんです、と。

なるほどー自分と心底共鳴できる世界との出会いその扉はこうして偶然開かれて、とたんに目の前に広がる景色がカラフルになって立ち上がってくる感覚、そうそう。わたしもそうだった!あるもの、ある人との出会いで急に視界が明るく前へ前へと開けていく感じ。「やっと出会えた!」って自分の中で一人にんまり悦に入る感じ。

先日、その類まれなる才能で世界を魅了しているシンガーソングライターの藤井風さんのドキュメンタリー番組を見た時にも同じようなことを感じました。

岡山のとある町の音楽好きなご両親が営む喫茶店の2階が創作活動の原点。そこから音楽への扉が開かれ、洋楽への興味から英語への扉も開かれー今では世界中にファンがいて、番組ではドイツ人のアーティストがこう言ってました「彼の歌にはsoulがあるから言葉がわからなくてもすばらしさは十分伝わってくるんだよ」たくさんでなくても、たった一つの出会いでもそれがその人の人生を思いのほか前進させたり、誰か励ますものすごい影響力になっていくのかもしれません。

それはとっても強いエネルギーかもしれないし、静かにそっと届くやさしさみたいなものかもしれない。出会いの種類は様々で、その人それぞれの扉がきっと用意されている。
ある人にとっては異文化や外国語。ある人にとっては音楽や言葉。それはもう無限大に・・・。

どこにいてもいつからでも、心に触れるなにかに純粋にまっすぐいれば、きっと自分と世界をつなぐ何かに出会えて、人生を導くくらいの原動力になっていくのかもしれません。

皆さんと世界をつなぐものは何ですか?

2021年10月20日 

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Miki

English Lab/ doers(ドアーズ) 主宰。完璧さよりも小さな一歩を応援するパーソナルイングリッシュコーチ。文章やコーチングレッスンをとおして、心を整えきらめく日々を提供できたらと探求する日々

https://lit.link/doers

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