五感でみつける 目で感じる

海辺のリズム

今年もまた海開きはお預けらしい。と耳にして、であれば
せめて砂浜で思い切りはだしで駆けてみたり、波間をじっと眺めたりー
すべての五感を発動させて夏の空気を心身に取り込んでみた夏のある日。

思い起こせば、コロナ禍であろうとそうでなかろうと
こうした季節のお楽しみを心から満喫しようとすれば
いつでも手の届くところにあったのに、
「まあ、また天気のいいときにでも!」などと先延ばしにしていたら、
そうした「また」が実はそう簡単ではないかも。という現実に直面して
ようやくこれまでの「あたりまえ」がなんてしあわせなことだったのか、と
思い知るパンデミック突入後、2年目の夏。
今の足元の日常こそすばらしきわが人生。なのです。

―とはいえ、正直なところ

ふるさとに戻った直後は、都会のペースが沁みつきすぎて、
かつて暮らした場所でさえ居心地の悪いアウェイ感に苛まれ
「自分の居場所は結局いずこに?」と自問したものだったけれど
居場所っていうのは、探し求めなくとも
いつだってこうしてそっと目の前に広がって
やさしく受け容れてくれていたのでした。

なにか特別で必死になって確保するもの、
ではまったくなかった、と
波音とともに幻想から解き放たれる心地よさ。

たとえどんな理不尽なことが目の前で起ころうとも、
ちょうど満ち潮や引き潮を繰り返す海辺のように
いったん現状に身をゆだね
ちょっと物事を俯瞰して、信頼してみる。

自然のリズムをこうして呼吸しながら感じていると
すべての答えを潮風がやさしく連れてきます。

いまの周りに広がる風景こそが
揺らぐことないわたしの居場所。

2021年7月24日 

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Miki

English Lab/ doers(ドアーズ) 主宰。完璧さよりも小さな一歩を応援するパーソナルイングリッシュコーチ。文章やコーチングレッスンをとおして、心を整えきらめく日々を提供できたらと探求する日々

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