五感でみつける 目で感じる
立ち止まる時間
寒晴(かんばれ)とうららかな陽射しが入り混じる今日この頃、
春を目前に前進したい気持ちと、まだまだ厳しい北風にキュッと体もこころも
縮こまり、心身の「滞り」を認めざるを得ない日々に気が滅入るのは、季節柄のせいなのかーはたまた私だけ感じる持ち重りなのか。
そんなある日、ふと思い立ち10年くらい前に観たジュリア・ロバーツ主演の映画『食べて、祈って、恋をして』を再び観てみることにしました。
主人公のリズがニューヨークで人生の大きな挫折を経験するところから始まるこのストーリー、その後ローマやバリを旅して自分らしい生き方のリズムを取り戻してゆくお話。
旅の最終地点インドネシアのバリ島で、リズは魅力あふれる男性に出会いますが、恋愛をすることで、今回の旅で築きあげてきた「内なる調和」が乱れるのが怖くて怖くて仕方ありません。
が、そんな彼女にバリの薬剤師(グル)はこう告げます。
「誰かを愛することで調和が乱れることもまた、調和のとれた人生の一環なのだよ。」
このひと言に背中を押してもらい、晴れてリズは本当の自分の気持ちにまっすぐに愛する人と向き合うことができ・・・。
グルがいうところの調和の乱れ。外側からは全くそう見えないだけに、本人にとっては怖れ以外なにものでもない不安定な闇の中。痛いくらい共感します。
でも。このマヒナ・マガジンの読者の方々なら、こんなときどうしたらこころの内側にはびこる乱れをケアできるかその近道をご存じですね?
詳しくは本サイトやマヒナ店主が掲載されている『からだとこころを整える』などを参照いただき、プロのセルフケアの叡智に委ねるとして、
マインドの側面からわたしなりのリズムの取り戻し方のヒントをここで一つだけ披露するとするならばー
そういうときこそ、「よくしよう」と頑張って努力したり、対人関係であれば相手を変えようとやみくもに動いたりするのをやめて、ベストなタイミングが訪れるまで、「じっと動かないでいる」という選択も実は勇気ある前進だよ、ということです。
一見動かないことはとても不安だし、無力感に苛まれるし、とても苦しい瞬間との闘いかもしれないけれど、先ほど触れた映画の言葉、「調和が乱れることもまた調和のための道筋」を思うと、立ち止まる時間というのは、案外目を背けるどころか、心から味わい慈しむものなのかもしれません。
あえて胃腸に食べ物を入れないことで臓器を休ませ体が毒を排出するように、ね。
おびただしい情報量とインパクトに圧倒されるニュースや出来事に翻弄される毎日だけど、だからこそあえてスローな流れを慈しみ、新しいリズムに向かえる「わたし」に出会える春を待ってみたい。不調和さえ味方につけながらー。
そんなことを切に願う睦月です。
2020年2月9日 ●
Miki
English Lab/ doers(ドアーズ) 主宰。完璧さよりも小さな一歩を応援するパーソナルイングリッシュコーチ。文章やコーチングレッスンをとおして、心を整えきらめく日々を提供できたらと探求する日々
https://lit.link/doers