五感でみつける 目で感じる
ローズマリー・マジック
山々も木々もーようやく春ごろも。
この季節、ただ朝早起きしただけで
外を散歩しただけで出会える
シンプルなよろこびに満ちている。
雨上がりの空気。
葉っぱのしずく。
朝霞(あさがすみ)の空。
道端でささやかに揺れている植物。
かすかに記憶にある香りが漂う。
近寄ってみるとそれは自生のローズマリー。
シソ科のそれは薄紫と水色の入り混じったような
儚げな花弁を広げて
ここにも春だよ、と告げている。
ちいさな花かんむりにして愛でてみる。
春はよろこびの季節のようで
実のところ変化に富んだ季節でもあり
特に3月は気持ちがざわめきうろたえてしまうひと月でもある。
そんななか、梅でもなく桜のつぼみでもなく
ローズマリーがふいに目に留まったのは偶然ではないかもしれない。
見ると自生のローズマリーは茎が縦横に伸び放題で、
愛らしさというよりはたくましくしなやかで、
少々の困難にも打ち勝ちそうな力強さを放っている。
それでも道行く通りすがりのわたしが思わず足を止めるほど
可憐に咲き誇る花々と芳香が五感を射る。
細胞のすみずみまで広がるさわやかで独特な香りが
見事に揺らぎをすくい取り、クリアな「わたし」を呼び覚ましてくれるよう。
時間にして3分も過ぎたか過ぎないかのローズマリー・マジック。
今日はそれだけで十分いい気分。
日常はまだまだ驚きと発見にあふれている。
名も知れぬ道に潜んでいるjoyに明日もまた出会えますように!
END
2019年3月20日 ●
Miki
English Lab/ doers(ドアーズ) 主宰。完璧さよりも小さな一歩を応援するパーソナルイングリッシュコーチ。文章やコーチングレッスンをとおして、心を整えきらめく日々を提供できたらと探求する日々
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