こころに潜る、こころで読む
10月の満月。
今年も残り3ヶ月を切りました。今年はめまぐるしすぎてひとつひとつの記憶が本当に残っていません(笑)。
それでも自分の体が頑張って、駆け抜けてくれたことは事実。
暑さも収まり、空気が落ち着いてきた頃、9月の新月から月と暮らす会さんが「月の時間=わたしと対話するひと時」というメッセージとともに始められたプロジェクトにちなんで、今回は『一生もののセルフケア 月のヨガ』(サントーシマ香著・大和書房刊 1,430円)という、月にまつわる本をご紹介したいと思います。
本書は、月ごとの女性ホルモンのゆらぎに寄り添うムーンサイクル(月経周期)を整えるヨガを提案されています。
みなさんはムーンサイクルを意識していますか。
私は30歳を過ぎてようやく自分のムーンサイクルや体の状態を意識し始めてきたかんじなので、20代の頃からもっと関心をもっていればよかった、とも思いながら、こうして今、『月のヨガ』を手にすることになりました。
読んでみると、ヨガをやったことがない人でもできるような呼吸法と穏やかなポーズが中心で、まずは基本の呼吸法(とっても簡単!)から始まり、「新月〜上弦の月」「上弦の月〜満月」「満月〜下弦の月」「下弦の月〜新月」それぞれのムーンサイクルに沿ったヨガのポーズの紹介と、その時期に見合った過ごし方のコラムが書かれています。
「内なる月の満ち欠けには、女性ホルモンが関わっています。」(16Pより引用)
と書かれているとおり、ひとつの周期の中で女性ホルモンがどのように変動していくか、そのときの心身の変化や起こりがちな不調について知ることができたり、「この時期には無理をせず、体を休める」「内なる自分が安らぐことを意識しましょう」と自分自身を追い込まないようなスタンスで提案してくれるのも嬉しい。
なにより、まずはムーンサイクルを知り、意識することができるようになること。
私みたいに、20代の頃に知っていればよかった、とならないように、関心を持てていない方が、自分の体と対話するきっかけや手助けを本書はしてくれるんじゃないかな、と思います。
そして、実践。
月相ごとのポーズはそれぞれ、その時期に起こる体の変化に合わせて作られています。
基本の呼吸法と違ってポーズをとるので、最初は本を見ながら行う形になりますが、ポーズに慣れてくれば自分のペースでスムーズにできるようになるくらい簡単なものです。
実際にやってみると、、
まずは呼吸を意識する。それから体の状態に目を向ける。
そうすると、リラックスしているはずの箇所に力が入っていることを感じたり、逆にゆるんでいくことが嬉しくなったり、シャバーサナというポーズをとった後にただ横になる瞬間のじんわりと広がる開放感とか。
様々な体の反応を感じられます。
ゆるむことと、体の反応を感じることが大事なのだな、と私は感じました。
そしてやる前と後では、体の力が抜けているのを実感できるのも爽快ですし、深い呼吸を意識するので、頭もスッキリ。
休日などの時間があるときに音楽をかけたり、アロマを焚いたりしてあえて大げさに非日常的な空間を作って、ゆったり行うのが楽しいかな、と思います。
慣れてくれば、ゆっくりやっても20分くらいあればできて、体と脳がすっきりする。それから月のリズムに沿って自然と体を調整することができるようになる。
自宅で自分のペースで気楽にできるのも今のご時世にはありがたい。
でも、その20分すら実践する時間・気力がない…。
という方は、もしかしたら「がんばりすぎ」「働きすぎ」、かも?
今年はとくに自分の暮らしを見つめ直す機会が多いですが、心と向き合いつつ、体にもアプローチをして、そして月の時間を取り入れて、バランスを取り戻すような秋にしたいですね。
近くの本屋さんで見かけたら、ぜひお手にとって見てみてください。
west mountain booksのオンラインショップでもお取り扱いをしています。こちらからもぜひ。
https://westmountainbooks.stores.jp/
西山友美/west mountain books・本屋B&Bスタッフ
2014年からB&Bに勤め始め、書店業務を中心に、食・くらし・旅・日本文化にまつわるイベントも(たまに)企画。2019年の秋頃からゆるゆると個人の屋号で「west mountain books」を始めました。自分が感じていた生きづらさを本で救われてきた部分が多いので、そんななかで知った本や知恵をシェアできて、共感しあえるような場所を作るべく思案中です。instagram→@westmountainbooks
2020年10月2日 ●