人智学(アントロポゾフィー)とは、哲学者 R. シュタイナーによって始められた精神運動です。私たちを取りまく世界は「見えるもの」と「見えないもの」で成り立っていることを認識し、その認識を「宇宙の精神性と結びつける道のひとつ」とする世界観です。シュタイナーは「見えないもの」を旧来の信仰という形式ではなく、ひとりひとりの目覚めた意識で科学的に認識しようとする姿勢を大切にし「精神科学」という学問を生み出しました。
宇宙を認識したければ、自分自身を見るがよい。
人間を認識したければ、宇宙を見るがよい。
ルドルフ・シュタイナー
ルドルフ・シュタイナー(1861-1925)は、オーストリアやドイツで活動した神秘思想家、哲学博士であり、教育者です。ウィーン工科大学で物理学や数学などを学んだのち、ゲーテ全集(自然科学編)の編集委員として活躍しました。1912年(大正元年)にアントロポゾフィー(人智学)協会を設立し、「精神科学」という独自の学問を創始しました。その人間観・世界観・宇宙観に基づいて、教育・医学・農業・建築・芸術・社会論・哲学・思想などの分野に業績を残し、その実践は世界中に広がっています。
私たちを取りまく世界は「見えるもの」と「見えないもの」があって成り立っていることを認識し、その認識を「宇宙の精神性と結びつける道のひとつ」と考えています。 「見えないもの」を旧来の信仰という形式ではなく、ひとりひとりの目覚めた意識で科学的に認識しようとする姿勢を大切にし「精神科学」という学問を生み出しました。
このシュタイナー・スクールでは、その深遠で難解とも評される思想の入り口として「12感覚」を学ぶことから始めます。
シュタイナーは私たち人間は「12の感覚を備えている」と言っています。私たちはこうした自分の中にある様々な感覚を認識してもしなくても、 常に様々な感覚刺激を体験し、反応して、自分の言動や感情を生み出しています。
つまり、生きることとは、絶え間なく続く感覚の刺激による自己の反応であるとも言えます。こうしたことに気づくことで、自分自身を主観によらずフラットに俯瞰できるようになり、自分を取り巻く世界や他者とも深く出会い直したり、理解が深まったりしていくことでしょう。
冒頭のシュタイナーの言葉にあるように、まさにマクロコスモスはミクロコスモスに通じており、12感覚を知ることは、「自己と世界を自分自身で紐解いていくこと」なのです。
このスクールでは、個々の感覚をじっくり学んでいくベイシッククラスと、その上で相互の関連性を深く学んでいくアドバンスクラスがあります。また、アドバンスクラスを終えられた方々とともに、現代の社会や時代背景を鑑みながら、そのつどテーマを求めて学びを深めていく専科クラス(仮称)があります。
これからの時代を、自分軸でしなやかに生きていくために大事な未来的な示唆が、シュタイナーの思想の中には息づいています。自分を知り、自分を超えるー新しい視野を広げる旅を、ご一緒しましょう。
公立保育士として7年間保育所や児童相談所に勤務後、シュタイナー幼児教育者養成コースに学ぶ。南沢シュタイナー子ども園にて吉良創氏に師事。2008年「東仙台シュタイナー虹のこども園」開園園長および担任。東京をはじめ、全国各地でシュタイナー講座・子育て講座を開催。オンライン連続講座「子どものスピリチュアリティの育て方」主宰。
著書「小さなおうちの12ヶ月」(河北新報出版センター)、「いちばん大事な『子育て』の順番」(青春出版社)
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